「マシュ。再び気づいたことがあるんだよ」
「今度はなんですか? それと、昨日隠したBBさんのスマホをください。叩き割りますので」
「その殺意はおいておこうマシュ。それ以上はキャラが壊れる。というか、すでに目がヤバイ。落ち着こうマシュ。まだ止まれる」
ベッドの下のスマホを更に奥の方に追いやりつつ、マシュを落ち着かせて話をと戻そうとするオオガミ。
マシュは渋々といった様子でオオガミの話を聞く体勢になる。
「それで、何に気付いたんですか?」
「そう、それだよ。冷静に考えると、マーリンお兄さん、今も俺たちの事を見てる可能性があると言うことに気付いたわけだよ」
「あぁ……そう言えば、あの方は徒歩で来れますからね。それがどうかしたんですか?」
「つまりだよ。今の状況を見て、笑っている可能性があると言うことだよ」
「『酷い言いがかりだな』。と言われそうな言い分ですね。帰ってきたら部屋の中が花だらけになってても知りませんよ?」
「あぁっ! マシュに見捨てられるぅ!!」
割りと真面目に焦っているオオガミ。マシュはそれほど怒ってはいないのだが、本当に花だらけになっていたら困るな。とは思っていた。
「というか、ホームズさんはどこに隠れているんでしょう……いざとなったら、と言ってましたけど、どこかで見てるんでしょうか……?」
「たぶんね。というか、あの探偵はいつも何やってるんだろう……大体要らないところで出て来て場を荒らすか、重要なところに出て来て良いところをかっさらっていくってイメージが強いんだけど」
「そういう言い方は良くないかと。バレたらバリツですよ。先輩」
「なんというか、たくましくなったね。マシュ」
「先輩には及びませんよ」
「まぁ、伊達に人外って呼ばれている訳じゃないってことだよ」
「先輩……せめて人でいてください」
本気のトーンでマシュは言う。
とは言っても、実際普通の人だったらさっくり死んでる戦いがいくつもあったので、かなり複雑な気持ちなわけだが。
と、そこでオオガミは唐突に思い出す。
「あ。ヤバイ。とんでもないことを思い出してしまった」
「ど、どうしたんですか先輩」
「いや……ぐだぐだイベントの時のちびノッブ達、処理した覚えがない」
「…………」
「…………えっと」
「どうしてそれを今思い出すんですか!! 一昨日の時点で思い出さないとダメじゃないですか!!」
「いやだってほら! 一応管轄はナーサリーだったし!! しかも、結構昔だし!! 覚えてなくても仕方ないと思います!!」
「それでもあのちっちゃいのは、昔の先輩なら一撃で気絶させられるくらいの威力はあるんですからね!?」
「ちょ、昔の!? 今なら耐えられるって言うことなの!?」
「あぁぁもう、どうしましょう……これ、バレたら不味いですよ……!!」
「ハッ! このためのホームズさん……!! なるほど……このためのバリツ!!」
完全に錯乱している二人。
とりあえず、トイレに行くと言って、ホームズを呼びに行くのだった。
そう言えばこのカルデア、ちびノッブ生存してるんですよね。
あと危ない物って何かあったかな……
というか、それでわざわざ走り回るホームズさんかわいそう……