「なんかさ……敵にぐだぐだ感溢れるのがいたよね……」
「文字通り偽者でしたね……分類レベルで」
「機械にされるくらいとは恐れ入ったな~。他にもあんなやついるの?」
「アルバムにメカエリチャンという方がいたわ。会ってみたいのだけど、いつ会えるのかしら……」
ノッブゥ! だの、ノブノブゥ!! だのと叫びつつ銃や体当たり爆発やビームを出していたりした。
今日のアビゲイルは触手を抑えて、初期まで戻っていた。
そんなアビゲイルとアンリの会話を聞いて、オオガミは苦い顔をしつつ、
「カルデアの時はナーサリーの自室にいたんだよねぇ……アレ」
「あのロボットが!?」
「元はサーヴァントなうえ、派生の原本は人形に近いんだけどねぇ……」
「お人形さんなの!? 私も欲しいのだけど!!」
「あ~……カルデア奪われたときに失われたと言いますか……なんと言いますか……」
「そんな……悲しいわ……」
「まぁ、次の拠点ではノッブが作ってくれるでしょう」
ノッブに全投げするオオガミ。
アビゲイルは目を輝かせ、
「ノッブさんはあの人形さんを作ってくれるの!? それは……楽しみだわ!!」
「えぇ~……でも、攻撃性はあのまんまなんじゃねぇの~? そんなのに廊下とかでばったりあったら、オレ死んじゃうぜ?」
「アンリはそのくらいで死なないでしょ。酷くても致命傷くらいだよ」
「もっと酷いじゃねぇか! 致命傷とか、一番痛いパターンだから!! すぐに回復できるとしても、致命傷は洒落にならねぇからな……?」
頬を引きつらせながら言うアンリに、ドヤ顔で返すオオガミ。
「はぁ~……ノッブさんは、アルバムで見たよりも器用なのかしら。楽しみだわ……!!」
「ん~……ノッブ器用かと言われると、まぁ器用なんだけども……あの器用さはなんと言うか、機械系と言いますか。裁縫はメディアさんですかねぇ……」
「メディア……? どんな方かしら。出来れば今すぐにでも会って、お話がしてみたいわ。そして、あのお人形さんを作ってもらうの。どうかしらマスター!」
「ん~……そうだね。メディアさんなら行ける。完璧だね。機械系ノッブに関してはノッブが何とかしてくれるはずだし。出来なかったらBBに頼もう」
「そうね、BBさんに頼みましょう。ノッブさんがどんなのを作れるかも気になるわ」
上機嫌なのが一目でわかるほどの表情をしているアビゲイル。オオガミもその表情を見て、どこか嬉しげだ。
「まぁ、なんにしても、しばらくは周回だ。行こうか」
オオガミはそう言うと、再び突撃していくのだった。
再来のノッブ。アビーが気になるのも仕方ない。あの見た目ですし!