「茶々の大勝利! ドンと任せて!」
「全体宝具バーサーカーの強さは異常ね」
「もっと早く気付いていれば楽だったのに……なんで気付かなかったんだ…」
「私も一緒に戦っていて、かなり力強い感じでした」
マイルームは人があまり入れないように仕様変更されているので、休憩室で話す四人。
話の中心は茶々で、胸を張っているのも、茶々のおかげで種火周回でかなり楽に進めるようになったのが主な理由だったりする。
「本当にバーサーカーは強い……」
「そうですね。茶々さんがいれば百人力です」
「茶々がいれば大丈夫! 種火集めは茶々の独壇場だよ!!」
「それは頼りがいがあるわね。頑張りなさい。貴女の叔母もそう言っていたわ」
笑みを浮かべるエウリュアレは、言いながら、彼女の叔母――――ノッブとの昨日の戦いを思い出し、思わず正面で少し沈んでいるオオガミの足を蹴る。
オオガミは驚くが、何とか平静を保ち受け流す。
「そう言えば、叔母上は? いつもはこの時間帯ならここにいるのに」
「さぁ? 部屋で寝てるんじゃない?」
「……エウリュアレ、もしや何か知ってる…?」
「なんで私が疑われるのよ。そんなことをすると思う?」
「めちゃくちゃ失礼だけど、すると思う」
「本当に失礼ね……まぁ、工房にでも籠ってるんじゃない?」
「むぅ。ノッブならその可能性もあるか……」
実際は、昨日の戦いにワンキルされたエウリュアレが、腹いせにわんこを魅了しノッブを襲撃させ、何とかノッブは工房に逃げて今なお扉一枚を隔ててわんこと対峙していた。
そんなことになってるとは知らない四人は、エウリュアレの説明に納得する。
「それで、明日はどうするの?」
「そうだねぇ…午前中は種火周回で安定かな」
「明日の19時からイベントですからね。まぁ、そんなに出来ないでしょうけど」
「本番は明後日からだし。まだ焦らなくて大丈夫だよ」
「19時から出来るといいわね」
「それはどういう意味かなっ!?」
「特に理由なんてないわよ……そんな声を上げないで少し落ち着きなさい」
意味深なことを言ったエウリュアレに向かって声を上げるオオガミ。それに若干押されつつ、エウリュアレはオオガミを落ち着かせる。
「いやぁ…今みたいな意味深な事を言われたら…ねぇ?」
「そんな、分かってるでしょ? 的な視線を送られても…」
「そうですよ。少し落ち着きを持ってください、先輩。いくらイベントが楽しみだからと言っても、さすがに興奮しすぎですよ」
「うぐぐ……最近いつもこんな感じな気がする…」
「大体いつもこんなものじゃない」
「茶々はこんな感じのマスターしか見たことないよ?」
「たまにしっかりしてるんですけどね……」
「三方向からの攻撃…!! これはもうダメだ。今日はもう寝よう」
「お疲れ様です。無理はしないでくださいね、先輩」
「明日も頑張って。まぁ、種火は槍とアサシンだけど」
「茶々はなんでも大丈夫だよ!! お休み!」
三人に見送られ、オオガミは休憩室を出て行った。
その後、ノッブはエウリュアレによって救出されるのだった。
もちろんノッブは怒っていたが、本気で怒っているわけではないというのは、本人たちだけが知っていた。
結局最後はエウリュアレとノッブが持って行くのです。
さりげなく親友レベルだよね。あの二人。周りはめちゃくちゃ被害被るけど。