今日のカルデア   作:大神 龍

302 / 1263
 前回同様、百階攻略後推奨











もうこんなに高くなったわ(明日には終わるかな?)

「ふあぁ……もう六十階なのね……」

「うん。空に近くなった。明日くらいにはたどり着けるかなぁ~……」

「くぅ~……オレがボロボロにやられてる間に楽しそうなこって。こちとらこれから温泉だっつの」

 

 先程まで倒れていたアンリは、ボロボロの状態で起き上がって、温泉に向かうために降りようとしていた。

 アビゲイルはそれを見て、

 

「言ってくれれば、下ろしてあげたのに。えい!」

 

 触手で器用に掴み、アンリを温泉直上付近まで持っていくと、そのまま下に降ろしていく。

 

「待て待て待て待て待て! 死ぬ!! わりとこれは洒落にならん!! 死ぬ!! 一度殺されかけた方としては不安しかない!!」

「あら。じゃあ、ここで放す?」

「悪魔かテメェ!! いや悪魔だ!!」

「ふふふ。文句は戻ってきたら聞いてあげるわ。じゃあねアンリ」

 

 そう言って、騒ぐアンリを5階ほどの高さで投げ捨てるアビゲイル。

 水柱が上がっているのが見えたので、本当に落としたと気付いたオオガミが、苦い顔をしている。

 

「ふふっ。これで私とマスターしかいないわ」

「うん。まぁ、そうなんだけど、残念なことに、通信は繋がると言うか、マシュは見てると言うか」

「マシュさんなら良いの。だって、私はお話がしたいだけだし。マスター。夜風は冷えるから、中に入りましょう?」

 

 アビゲイルに言われるままに入り、それと同時にアビゲイルが扉を全て閉める。

 予め点けておいた蝋燭だけが頼りの空間だ。

 

「ねぇマスター。終わったら、パンケーキを食べたいわ」

「パンケーキくらいならそんな言い方しなくても普通に作ってあげるのに。どうしたの突然」

「別に、何かある訳じゃないの。ただ、なんとなく、次の場所にたどり着いたら、私の敵がいる気がして」

「次の場所……次の階ってこと?」

「そうじゃないわ。拠点に着いて、m前の人たちが召喚されたらよ。だから、マスターを盗られないようにしなくちゃ」

 

 なんとなく、嫌な予感がしてくるオオガミ。

 今のセリフを聞いたら、一部のサーヴァントが荒ぶりそうな話だ。清姫とか、静謐とか、頼光とか。

 ただ、不思議とエウリュアレは全く気にしないで、いつものように絡んでくる気がした。

 

「マスター、今他の人のことを考えてたの?」

「いや、別に? でも、とりあえず敵って感じるような人はいないんじゃないかな?」

 

 一部は殺意を持って襲い掛かってくるだろうが、半分はバーサーカーだと思われるので、アビゲイルなら問題ないと思うオオガミ。

 アビゲイルは面白くなさそうな顔を一瞬した後、

 

「まぁ良いわ。ねぇマスター。今日はカルデアのお話をしてちょうだい。良いでしょう?」

「ん~……明日も登るから、あんまり長くは話せないからね?」

「えぇ、それで良いわ。お願いね、マスター」

 

 アビゲイルに言われて、オオガミは何を話そうか少し考えた後、話し始めた。




 うぅむ、攻略が終わったら温泉に降りるか……そろそろ二部始まってほしいんですけど、たぶんバレンタイン先ですよねぇ……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。