「う~ん、ゴーレム、デカイなぁ……」
「でけぇよなぁ……よくこれであんな動きが出来るぜ。感心するわ」
「チョコで作られているため、生産が容易く、しかもある程度の硬度も確保されている。更に再利用も可能ですか……ふむ。訓練にも使えそうですね」
大きさに驚くオオガミとアンリとは別に、その性能に目を向けているランスロット。
空中庭園の警護やチョコの製造、力仕事を主にやってくれているので、邪魔しない範囲で見学しているというわけだ。
「ん~……やっぱ変形できるって良いよね」
「チョコだからある程度は加工できるかねぇ?」
「二重構造にするとかもありか」
「オレはまだ変身を二回残している的な?」
「良いねそれ。採用しようか」
「……あの、マスター達は何を話しているんでしょうか……」
「「三段階変形ゴーレム作成計画」」
「……やるんですかそれ」
「ノッブとBBが来た辺りで」
大体あの二人なら実現してくれるという、確信を持った言葉。
なんだかんだ、信頼しているというべきか。
「まぁ、設計図は後で考えるとして、今はチョコを増やすのが先決。ふふふ……チョコを貰うのが楽しみなんじゃぁ……」
「うん。いつも通りだなマスターは」
「これでいつも通りなんですか……」
大体いつも通りである。特に、こういうイベント事では。
あまり長い付き合いではないアンリでも、なんとなく通常運行だと言うのは想像できるようなことだった。
「それにしても、アビー達帰ってこないね?」
「そりゃ、バレンタイン近いんだぜ? 気にしないようにしな」
「ん……そうだね。何というか、気にしたらチョコが消えてしまう気がする」
「うん。察しが良いね。流石だマスター。こういう貰い物系に関しての嗅覚は良い気がするぜ?」
まぁ、そんなこと無いと思うけど。と小さく付け足しておくアンリ。聞いている人は誰もいないのだが。
だが、オオガミも気にしている様子がないので、問題はないだろう。
「さて、適当に話を変えるように、話を戻すとしよう。三段階変形ゴーレムのチョコを考えよう」
「おぅ! 楽しみだなそれは!!」
「この空中庭園には多種多様なチョコがあるから、試行錯誤は出来るね」
「そうだな。でもなマスター。それ以前に必要なことがある」
「……チョコの製造だね……」
「あぁ、そういうこった」
アンリは頷くと、一度大きく伸びをして、
「さてとぉ……んじゃマスター。さっさとチョコを生産しようぜ、マスター」
「そうだね。急いで施設も増産しないと」
「えっと、えぇ、はい。必要なものも多いですから、急いでいきましょうか」
そういうと、三人は周回に向かうのだった。
未だ礼装全交換しかしていない私です……施設拡張せねば……