「……何、やってるんですか……?」
「……殺すわ」
目が合い、直後殺しにかかるカーミラ。
一体何を見てしまったのか。それは、調理場といえば分かるだろう。
「ちょっとストップ。見なかったことにするのはダメですかね?」
「えぇ、ダメよ。容赦なく殺すわ」
「待って待って。見てない見てない。何も見てない。何を作ってるかは見てない。一瞬エリちゃんの料理を思い出したけど何でもない。なので逃げるね」
「させないわ。追って殺す」
「うっわぁ……この流れはあれだ。宝具撃たれる可能性まで考慮しなくちゃいけない奴だ……危険度はエウリュアレ以上かなっ!!」
一瞬の隙を見て走り出すオオガミ。
しかし、いつも手加減してくれているエウリュアレ達と違い、本気のサーヴァントに脚力で勝てるはずもない。が、そのためにいくつか秘策は考えていた。
わりと本気で殺しに走ってきているカーミラを確認した直後、
「秘技、礼装身代わりの術!!」
「甘いわ!!」
リミテッド/ゼロオーバーを身代わりにしようとした直後、振り下ろされる
だが、一瞬の差で、緊急回避を発動して回避する。
そのまま瞬間強化を使って全力逃走を開始。礼装身代わりの術も忘れずに行使しておく。
「に、逃げ足ばかり速いわね……しかも、手慣れている感じが強いわ。余程逃げ惑うような生き方をしてきたのね……」
オオガミを見失い、立ち止まってそう考察するカーミラ。
まさか、普段サーヴァントに悪戯をしているせいで追われることが多く、それが原因で逃避スキルが劇的に上昇しているなどとは誰も思わないだろう。
「はぁ……でも、流石にあそこまで本気で逃げるのもどうかと思うのだけれど」
本気で殺しに行っておきながらそう言うのはいかがなものかと思わなくもないが、本気で殺しに行くようなものだったのだから仕方ない事だろう。それほど重い事ではある。
* * *
「はぁ……死ぬかと思った……」
全力逃走で逃げ切ったオオガミは、カカオの木に登って休憩していた。
逃げ切れたと思っているわけではないので、しばらくはランスロット並みに逃げるのだが。
「……マスター。何やってんだよ」
「えっ、あ、アンリ? 何してるって、逃走中?」
「今回は何やったんだよ」
「ただ単に、調理現場をうっかり見ちゃっただけなんだけど……」
「あ~……それで死ぬ目に遭ってるわけか。まぁ、自業自得だな」
「理不尽も良い所だよ……明らかにどうしようもないじゃん……」
「まぁ、そう言う事もあるさ。つか、そこでサボってんなら手伝ってくんね?」
「ん~……了解。逃げながら手伝うよ」
「おぅ。じゃ、行こうぜ」
オオガミはカカオの木から飛び降りると、アンリを手伝いに行くのだった。
まぁ、よくある事ですよね。見る機会があるかは置いておいて。
カーミラ様は要望より。今は出せるキャラ少ないんで、出来るのと出来ないのがあるんですけどね。カーミラ様は今年入ってからなのでセーフ……だと思いたい。