「うぅむ、どうしようか」
「考えるまでも無く、ラプンツェルを探し出して倒すだけだろ?」
「そうじゃなくて、晩御飯」
「うわぉ。周回の事何も考えてねぇなマスター」
「そりゃ、まだ余裕あるし……ねぇ?」
「そうだけどさぁ……まぁいいや。昨日はパンケーキだったし、今日はあれでいいんじゃね? 日本料理系」
「ふむ……考えてみるかな」
首をかしげて考えつつ、オオガミは台所に向かっていく。
それを見送ったアンリは、
「なんつうか、うちのマスターってマイペースだよなぁ……」
「こんな状況で平然と飯を食えるのが正常だとは思わないけどな?」
「まぁ、気にしなさんな。アレがうちの普通みたいなもんだ」
「ハハッ! これが普通とは、やっぱ変な所だな。カルデアってのは」
「違いない。まぁ、オレはまだ行ったことないんだけどな」
「そうなのか。どんなところか気になるんだがなぁ……今いけないっていうし、どうしたもんか……」
「そのうち行けるようになるから、あんまり気にしなくていいんじゃね?」
式と話しながら、アンリは自販機に向かったマシュとアビゲイルを見るためにベランダから下を見る。
「あ~……絡まれては無いみたいだな。っつか、今更ながら、金はどっから出て来てるんだ?」
「ん? あぁ、マスターが普通に持ってたけどな。財布持ってたし」
「マジか。そもそも、給料まだ貰ってなかったって聞いたんだが、いくら持ってんだよ」
「さぁな。財布の中身を覗く趣味は無いよ」
「そりゃそうか。さて、つまみ食いにでも行くか。アンタも行くか?」
「いや、遠慮しとくよ。というか、つまみ食い出来る様なモノがあるのか?」
「無いとは思わないけどねぇ……昨日の様子を見るに、割と余り物を出しそうな性格と見た」
「そうか。まぁ、ばれて叱られるのはオレじゃない。勝手にしろ」
「はいは~い。んじゃ、行ってきますかね」
そう言うと、アンリは台所に突撃していく。
そして、ほんの少し後に、
「ちょ、アンリ!! それ、食べちゃダメだっての!! それは伝説の……あぁ、言わんこっちゃない。南無南無……」
「……なんで、日本料理をリクエストしたのに、麻婆豆腐があるんだよ……」
「好奇心に負けるから……まぁ、つまみ食いに来た奴に食べさせる予定だったんだけど。自分から食べたし、自業自得って事で?」
「こ、この野郎……あ、やばい。口が痛い死ぬ。ゴフッ」
「あぁ、アンリ……コイツは最後まで人の話を聞かないから……」
と、賑やかなやり取りが聞こえてきた。
そして、料理が作り終わった辺りで、ちょうどマシュ達が帰って来るのだった。
23時に書き終わる予定が、ちょっと遅れてこんな時間に……
昨日も平然と買い出し言ってたけど、そもそもお金はどこから出てるのか。まさかQPが通貨じゃないですよね……
しかし、あの麻婆豆腐、どれだけ辛いのかちょっと怖いもの見たさで食べてみたい気持ちはある……プリヤの麻婆ラーメンとか。