今日のカルデア   作:大神 龍

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危ない二人が買い物ですか……(流石に問題を起こさないと思うけどね?)

「マシュ……そろそろ禁断症状が出そうだよ……」

「なんですか突然。そんな設定ありましたっけ?」

「設定じゃないやい!! というか、設定は禁句!! 諸々の事情で禁句とさせて貰います!!」

「は、はぁ……じゃあ、禁句だとして、一体何の禁断症状ですか?」

 

 マンションの一室。置いてあった机と椅子を軽くきれいにしたあと座っていた二人。

 そんなときに訳の分からないことを言い始めたオオガミに、思わずマシュが突っ込むも、何故か叱られる。

 困惑するものの、とりあえず何を言いたいかだけ聞くことにした。

 

「そう、最近、まったりとお菓子を食べたりしてないんだよ。要するに、慌ただしすぎて、休みたい病が――――」

「そう思うんだったら早く終わらせてゆっくりすればいいじゃないですか」

「違う……違うんだよマシュ。大変なときにゆっくりするのが一番なんだよ……!!」

「ダメ人間の理論!! 目を覚ましてください先輩!! それ以上はダメです! 堕落したまま帰ってこれなくなっちゃいます!!」

「酷い言われよう! そんなダメ人間になるって思われるのは心外なんだけど!?」

 

 完全に、普段の態度が悪いのだろう。疑われても仕方ない。

 本人に自覚がないのが問題なのかもしれないが。

 

「で、ダメ人間先輩は今度は何を企んでるんですか?」

「凄い……一瞬であだ名がダメ人間に変わった……企んでるって言っても、そんなでもないよ。アンリとアビゲイルが面白そうなお菓子を買いに行っただけだし」

「……待ってください。なんで制御不能のあの二人組に行かせたんですか。店が壊されるか、残高が無くなるじゃないですか」

「マシュはあの二人をなんだと思ってるのさ……限度額も言ったし、お金もサブの財布に限度額分だけ入れたから、絶対使い切らないって流石に」

「本当にそう思いますか……? あの二人、特にアビゲイルさんは、先輩の財布を遠距離から奪えるんじゃ……」

「……転移門は考えてなかったなぁ……」

 

 本当に想定外だったのか、急いで財布を取り出すオオガミ。中身も確認して、どうやら大丈夫だったようだ。

 

「うん……流石にそこまでやらないとは思うけど、一応確認しておいて損はないからね。うんうん」

「はい。流石に持っていかれていたら、私も手の出しようがないので良かったです」

 

 ほっとした二人。すると、玄関の方から騒がしい声が聞こえる。

 

「帰ってきたっぽいね」

「そうですね……? でも、何か言い争っているような……」

 

 そう言って二人は見に行くと、大荷物を両手に持ったアンリに肩車されているアビゲイルがいた。

 

「……何してるの?」

「……コイツが、帰りを楽にする代わりにしろって行ってきたから……」

「……それを引き受けるアンリに感心したよ……」

 

 オオガミはアンリの言葉を聞いて、何故か悲しそうな目をしながらアンリの荷物の半分を持つのだった。




 わりとうちでは常識無い判定を受けてるアンリとアビゲイル。大体私のせい。

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