「黒猫さん……欲しいわ……」
「い、今さらだね……いや、あげるけども。一個くらい誤差だよ誤差」
「それが後でマスターを苦しめるんだな。まぁ、誤差なんだろうけど」
「フラグのようでフラグでない発言ですね。ほぼアウトかと」
黒猫フィギュアをオオガミから受け取り、嬉しそうにしているアビゲイルを見つつ、ぼそりと呟いたアンリ。
昨日さりげなく殴り飛ばされたのを根に持っていたりするのでそんなことを呟いたのだが、マシュに突っ込まれる。
なお、本日は第一再臨なのでおとなしい方のアビゲイルだ。
「ねぇマスター? これって、持って帰って大丈夫なものなの?」
「えっ……いや、それは……今まで普通に持って帰ってたけど、冷静に考えると、大丈夫なものなのか……? ダ・ヴィンチちゃんに一回も怒られてないし、大丈夫……かな……?」
「えと、変なこと聞いてしまったみたい……マシュさん、大丈夫なのよね?」
「そうですね……普通に余った交換アイテムはカルデアに置いてありましたし、問題ないですね」
「そう。それなら良かったわ! お部屋を貰えたら、飾りたいわ。あぁ、楽しみだわ!!」
くるくると回りつつ、とても嬉しそうにするアビゲイル。
だが、マシュはそれから目を逸らしつつ
「……カルデアは凍結されて、今は逃亡中なんですよね……考えてみると、どうしてこんなところにいるんでしょう……」
「そりゃ考えちゃいけねぇ奴だ。ってか、夕飯まだか~?」
「リクエストして~」
「何も考えてなかったなアイツ……」
マシュの思考を中断させつつ本日の夕飯を聞いたアンリだったが、どうやらオオガミは何も考えてなかったようだ。
アンリはため息を吐き、
「オレは肉喰いてぇな。ステーキとかどうよ。分厚いの」
「……分厚い肉……ワイバーンの備蓄なら……」
「なんであるんだワイバーン肉。むしろそっちが気になるわ。どこで仕入れたそんなもん」
少なくとも、このマンションで会った憶えはなかった。
まさか、前やその前のイベントの時のだとでも言うのだろうか。
「いやぁ……秘密」
「怪しい! 絶対ヤバイだろそんなの!」
「大丈夫! 保存状態は完璧だから!! 文句無しだから!」
「そういう問題じゃねぇだろ!! 何時の肉だ! 言ってみろ!!」
「えっ……それはその……百重搭の奴……」
「あのときのかよ!! 半月以上前のじゃねぇか! どうやって保存してた!」
「それは企業秘密」
「それが一番信用できねぇ……!!」
不安しか募らないオオガミの言い分。
一体何を隠しているのだろうか。ただ、一つだけ言えることは、
「よし……買い出し行くぞマスター。アビゲイル連れていけばすぐだろ? 早めに済ませようぜ」
「うぐぐ……まぁ、良いけども。アンリに言われてステーキ気分だよ。はぁ……今日は全員で行こうか」
そういうと、ご機嫌なアビゲイルを説得して、全員で買い出しに行くのだった。
バレンタインイベントのカカオを見るに、特異点からの持ち帰りとか、平然にやってるっぽいし、問題ないですね。これは安全。
最近、投稿時間に間に合わなくなってきてる……そろそろ限界……?