「先輩。先輩をイケニエにするってことで良いですね?」
「大変よろしくない。具体的には死んじゃう」
「自業自得よ。反省してね、マスター」
「アビーにまで見捨てられた……」
そんな事を話しているうちにも、マシュとアビゲイルは一歩、また一歩と後ろに下がっていく。
原因は分かりきっていた。
「ふぅ……こりゃダメだね。最後の希望をかけて召喚するくらいしかないや」
「学習しないですねこの人!! アビーさん、CEO呼んできてください! CEO!!」
「よ、良く分からないけど、分かったわ!! たぶんエルバサさんね!! 行ってくるわ!!」
無謀な作戦というより、ただの自棄にしか見えないオオガミの行動に、即座にアビゲイルにエルバサを呼びに行かせるマシュ。最悪バーサーカーならまだ勝ち目はあった。最悪の場合、ホームズをイケニエにする気分だ。ルーラー特攻の彼女にはほとんど壁にすらならないだろうが、無いよりはマシだろう。
「ふっふ~ん。今の運なら軽く引けちゃうよね」
「何処から来るんですかその自信! 本音を言っちゃいますと、どう考えてもアホですよね先輩!!」
「……マシュが精神攻撃してくるんだけど。誰だマシュをあんな性格にしたの」
お前だ。などと突っ込んでくれる人はいない。
気の抜けた会話をしつつも、昨日キアラを引いた後使ってなかった呼符を投げ込む。余り物なのだから、あまり気にしなくても良いだろう。
「あぁぁ……!! また簡単に資源を使って……!! それでこの状況を打開できなかった恨みますからね……!!」
「おっと。命がかかってしまった。大変不味い状況だ……」
そう言っていると、いつもより三倍輝く召喚陣。具体的には虹色だった。
「確定! 確定だよこれ!」
「こういう時だけ運良いですよね先輩! 素直に凄いと思いますけど、そもそもその運のせいでこんな状況になってるんですからね!!」
「良いことしてるはずなのに酷い言われよう!! 自覚あるけど!!」
そんな大騒ぎをしている間に召喚は完了し――――
「――――セイバー、アーサー。召喚に応じ参上した。って、なんだい? 何処かおかしいかな?」
「……いよっしゃぁ!! 打開策キターー!!」
「これで何とか大丈夫そうです! 先輩!!」
嬉しさに喜びを隠せない二人。その状況を飲み込めていないアーサーは、首をかしげつつ、
「僕、何かしたかな?」
と呟くのだった。
まさかの二日連続星5獲得。
嬉しいが素直に喜べない不思議。今メルトが来てれば当てられる気がするのに……
しかし、プーサーさんはキアラを倒せるのか……エクスカリバー起動するかが問題……