「むぅ……マスターが縛られてるから、あまりお話しできないのが欠点ね」
「仕方無いです。先輩は大体何かしてますし、何かやらかしてます」
「圧倒的信頼。何かやらかすのが前提とか、流石すぎる」
「アンリがマスターの事を馬鹿にしてるのはわかったわ」
本日ものんびりとしている三人。今日のおやつはチョコドーナツのようだ。
「それにしても、意外とキアラさんと閉じ込めても平然と戻って来そうな感じがするんですよね……」
「よく大丈夫よね……私はちょっと無理だわ」
「自分で閉じ込めておきながらよく言うよなぁ……逃げ出しても知らね~っと」
「自業自得だもの。それに、なんだかんだ言ってもマスターはそこまで本気で逃げないわ。ちょっと抜け出して、召喚してすぐに戻るわ」
「それでも召喚はするんだな……」
もう召喚を止める事は出来ないと確信しているアビゲイル。
マシュも一応止めようとはしているが、召喚を防げたことは無いので諦めていたりもする。あくまでも忠告というだけだ。
「いやぁ、流石だわ。よくまぁあんなに召喚するぜ。確かに戦力増強は文句無いけど、資源消費も凄いよなぁ」
「まぁ、回している量はそれほどでもないんですけどね。ここ最近は石は減っていませんし。今のところは呼符しか使ってませんよ」
「マジか。案外やるな……いや、もしかして、ピックアップ待ち……?」
「いや、まさか、そんな……あれ、あり得そうなんですけど……」
「えっと……マスターの様子を見に行ってくるわね!!」
「おぅ。気を付けてな~」
なんとなく不安になったアビゲイルは、オオガミの様子を見に行った。
キアラもいると思うのだが、すっかり忘れている様子。エルバサもいるから大丈夫だとは思うが、少し不安だったりする。
「キアラさんに見つかっても、きっとエルバサさんが救出してくれるでしょう」
「もしダメだったら僕が行くことにするよ。良いかい?」
「えっ。あ、はい。むしろよろしくお願いします」
「……いつの間にそこにいたんだよ……」
自然と座っているアーサー。いつ座ったのかは知らないが、何かあったら助けてくれるようなので、別に問題はない。
出来ればそんなことが起こらないように祈るのがマシュなのだが。
「無事なら良いんですけど。最悪資源は先輩が自力で取ってくれば良いですし」
「マスターを扱き使うなぁ……」
「あはは。僕もそうなったら協力するけどね」
そもそも、ほとんどが自力で手に入れたものだったりするが、あまり突っ込んではいけない。
なんだかんだありつつも、数分後に涙目でアビゲイルが帰ってくるのだった。
まだ、呼符しか使ってませんよ。はい。明日は……その……はい。オルタニキ欲しいなぁっ!!