「お疲れ様です、マスター!」
「り、リリィ……す、すごい……お疲れ様とか、すっごい久しぶりに言われた……!!」
「いや、先輩がそもそも労われるようなことをあまりしないのが原因では……?」
「マスター、自由だものね」
リリィの労いの言葉に感動しているオオガミに突っ込むマシュとアビゲイル。
リリィは感動しているオオガミに首をかしげるが、すぐに気にしないことにした。
「あ、それとですね。ついに宝具レベルが5になりました!!」
「おぉ! ようやくかぁ……うんうん。良かった良かった。まぁ、まだアホ毛を引き抜く作業は続くんだけど……」
「あ、アホ毛? アルトリウムではなく?」
「あぁ、いや、こっちの話。というか、アルトリウムの万能さは凄いな……うん。これはノッブに渡すしかないわ」
「絶対止めてください。ぐだぐだ粒子とアルトリウムが合わさって凶悪なウイルスになりかねないです」
「ん~……超万能ギャグ時空粒子が出来れば面白いと思うんだけどなぁ……」
「迷惑極まりないです。バイオハザード起こさないでください」
「そうなる前に私がそれを海に投げ捨てれば問題ないわ!」
「環境が破壊されかねないね」
「め、迷惑にしかならないのね……」
ぐだぐだアルトリウム粒子という安直な名前をつけてばら蒔こうと思っていたが、技術者たるノッブとBBがいないので、マシュ側のサーヴァントに見付からないように隠し通せるかが問題だ。
ちなみに、危険なようだったらちびノッブに詰め込んで爆発させて処理する予定なので問題ないだろう。
「さて……まぁ、アホ毛リウムは置いておくとして、見たくない現実を見ることにしよう。何があった」
ワイバーンの死体や屑鉄の群れ。そしてさりげなくドラゴンの下敷きになっているアンリ。
大体主犯は分かっているが、注意するのは気が引けた。
「えっと……はい。なんとなく分かると思うんですが、キアラさんと鈴鹿さんの影響です」
「あっはは……遠慮ねぇなあの人達」
「先輩は人の事言えないです」
「マシュは黙ってなさい」
余計な突っ込みを入れてくるマシュを静かにさせると、とりあえず簡単な目標を考える。
「よし。じゃあ、まずはアンリを救出しようか。アビー、何とか出来る?」
「出来るけど……」
「じゃあ、お願い」
「……えぇ。分かったわ」
少し悩んだアビゲイルは、仕方ないとばかりに門を展開し、アンリを引きずり出す。
「ん~……これは、完全にとばっちりで致命傷を受けてるね」
「なんか、アンリさん、いつもこんな目に遭っているような……」
「黒幕は大体マスターなのだけれどね……」
ピクリとも動かないアンリを見て手当てし始めたオオガミの後ろでコソコソと話すマシュとアビゲイル。
「とりあえず、うん。片付けようか」
「まぁ、邪魔ですしね」
「あそこにアンリさんがまとめていたので、私たちもあそこにまとめましょう」
「分かったわ」
そう言うと、四人はアンリを放置して片付け始めるのだった。
究極融合……やったら大惨事確定ですね