「ふふふ……ついに完成……巨大パンケーキはでっかくなる子に任せるとして、俺が作れる巨大スイーツと言えばこれしかなかろう!!」
「先輩の得意料理……ですかね?」
「ねぇ……私、マスターがこれを作るのって、エウリュアレの時だけだと思ってたんだけど」
ついに完成してしまった巨大パフェ。
本日はイチゴメインで作られていた。材料は何処で手に入れたかは聞いてはいけない。
「さて……最大の問題発生だよマシュ」
「でしょうね。どうやって持っていくつもりだったんですか」
「いや……作ってるときは持っていくこととか考えてなかったよね……」
「完全にここで食べるつもりだったんじゃん。というか、アビーだけで食べられる?」
「た、たぶん……っていうか、いつの間に鈴鹿もアビーって呼ぶようになったんだね」
「あぁ、うん。まぁね。キアラと戦ってたらなんかそう呼んでほしいって言われて」
「なるほど……まぁ、天敵だもんなぁ……うん、まぁ、今のところ反逆出来るの、鈴鹿くらいだしね」
「エルバサちゃんもいけると思うけどね?」
「まぁ、そうだけども、自分から突撃していくのは鈴鹿だけなんだよ」
「あ~……そういうこと。まぁ、流石に自分から行こうとは思わないよね~」
「うんうん。つまり、キアラ防衛線の要が鈴鹿ということです」
「マジで? いつの間に……」
言われて、自分がいつの間にか対キアラの要になっていることを知る鈴鹿。それもそのはず。オオガミが今考えて言っているので、知るわけがない。
「さて……これはアビーを連れてくるのが一番か……」
「食べきれますかねぇ……」
「アビーならいけると思うけどね?」
「マスターはアビーに何を期待してるの……」
「いや、流石に無理そうなら食べるけども、巨大パンケーキを作れなかったお詫びだからね」
「お詫びと言う名の拷問……」
「これはもう、致命的に重いよね……」
食べられる量というのを軽く越えているであろう量。もしエウリュアレに出したとして、すぐ回りのサーヴァントを呼び集めて食べさせるレベルだ。
「どうしたの? マスター」
「むっ。その声はアビー! ちょうど良いところに!」
いつの間にか背後にいたアビゲイル。
瞬時にそれを察したオオガミは、すぐに捕まえてパフェの前まで連れていく。
「ま、マスター? 何かしら、この、パフェは」
「昨日の巨大パンケーキは無理だったから、代わりに巨大パフェで許してもらおうかと思ってね!!」
「いえ、昨日はエイプリルフールでしょう? そのつもりだったのだけど……え、あ、なんでもないわっ! ちゃ、ちゃんと食べるわね!!」
昨日のは嘘だと言おうとした瞬間、凄い悲しそうな顔をしたオオガミを見て、反射的に食べると宣言してしまったアビゲイル。
「うっわぁ……マスター大人げない……」
「だから止めた方がいいって言ったじゃないですか……」
そう言って、マシュと鈴鹿はため息を吐くのだった。
恒例のパフェ。最後に出たのはいつの事だったか……