「よっしゃあ!! 明日だコンチクショウ!!」
「ついに明日なのね、マスター!!」
「ようやくですか……というか、次は極寒ですよ? 分かってますか先輩?」
「……ふっ。極寒ごときで死ぬ俺じゃない!! 伊達にノリと勢いでカルデアの外に飛び出たんじゃないんだよ!!」
「先輩、それ、私もじゃないですか……?」
「マシュは『すーぱーぼでー』なので、何の問題も無しですね」
「先輩は私をなんだと思っているんでしょう……」
『すーぱーぼでー』という謎補正。一体『すーぱーぼでー』とは何なのだろうか。
だが、なんにせよ、南極に薄着で出れるのは流石だろう。
「まぁ、寒かったら厚着すればいいんだよ。新宿の青わんこから手に入れた毛を使って作ったモフモフコートを装備しよう」
「いつの間に作ったんですかそれは」
「そりゃもちろん、秘密裏にね。制作補助はメディアさんだよ」
「あぁ、それなら安心ですね」
「マシュさんの判断基準がすごいわ……」
オオガミが一人で作ったのではないとわかると同時に安堵するマシュ。
アビゲイルはそれを見て苦笑いになるのだった。
「まぁ、先輩のスペックは信頼してるんですけど、割と変なギミックを仕込んだりするんですよ……」
「た、例えば?」
「例えば……あ、いえ、すいません。ちょっとぱっと思いつくのはなかったです……」
「そう……じゃあ、今度見せてほしいわ」
「そうですね。わかりました、探しておきます」
「うぅむ……仕掛け装備の案の半分はノッブとBBなんだけどなぁ……」
作成者が三人いて、そのうちの半分をオオガミが提案していることについては、本人は気付いていないようだった。
「それで? マスターは明日どうするの?」
「ん~……あれだね。宝物庫を軽く回って、特異点開放と同時に突撃だよ」
「なるほど! じゃあ、私もそれに合わせて準備しないとよね!!」
「そうですね。私も防寒具とか準備しないとですし」
「うんうん。でもね、マシュ。マシュの防寒具はこのコートがもうあるわけだよ」
「……先輩。そのコート、呪われていそうなので辞退しますね」
「なん……だと……せっかくマシュに合うように作ったのに……!!」
「なんで先輩が私に合うように作れるんでしょう……なんとなく怖いんですけど……」
「サイズって、どうやって測ったのかしら……」
「それは、企業秘密だよ」
いろいろと謎が多いオオガミ。大体原因はノッブとBBの発明品だったりするので、この二人に聞いてみるとすぐ出てきたりするのだが、悲しいことに二人はいないので、原因であろう発明品はわからないのだった。
「よし、じゃあノルマの宝物庫周回行くよ、アンリ!!」
「突然のオレ!?」
偶然近くを通ったアンリは捕まり、そのまま引きずられていくのだった。
ハイスペックマスターことオオガミ君。ついに遠い昔に仲良し計画とかしていたワンコ君再登場。コートになってなぁ!!(錯乱