「ふぅ……ようやく一息。だけどさぁ……なんでホームズは平然と紅茶飲んでるのかなぁ……」
「私は私で、やることがあってね。リラックスしないでやれるような事でもないのさ」
「ふぅん……まぁ、それで楽になるのならいいんだけど……」
「まぁ、任せたまえ」
平然と紅茶を飲みつつ、ホームズは答える。
オオガミはそれを見て、複雑な顔をするが、ここの防衛の要なので仕方ない。
「ん~……さて、どうしようか」
「まぁ、君なら心配はいらないだろうさ。精一杯頑張ってくれたまえ」
「出来る限りはやるよ。うん。マシュだっているしね。安心して、とは言えないけど、被害は少なく済ませる自信はあるよ」
「あぁ。では、その自信を信じて行きたまえ」
「もちろん。全力でやってくる」
オオガミがそう言ったところで、ホームズはカップを置くと、
「さて、では、突撃前の休憩だ。短い時間だが、ゆっくり休んでおくといい」
「うん。じゃあ、時間になったら呼んでね」
「もちろんだとも」
オオガミはそう言うと、個室へと向かうのだった。
* * *
「あの、先輩。わりと一大事なんですが。先輩が一人とか、大問題なのですがっ!!」
「いきなり言ってくれるじゃないかマシュ。戦闘時の一時的展開とはいえ、皆の力が借りれるなら負けないって」
「そうやって調子に乗ると碌な目に合わないんですから! 慢心しないでください!!」
「ぐぬぬ……的を射てるから何も言い返せない……!!」
いつもより二割増しで怒っているようなマシュ。それもそうだろう。見守るだけと言うのは想像しがたいほどの苦痛があるのだ。
「まぁ、慢心はしないよ。全力で戦うし、勝って帰ってくる。いつもみたいにね!」
「先輩はいつもそうやって……まぁいいです。まだ大きな怪我も無いみたいですし。大丈夫ならいいんです。えぇ、本当に」
「だから、マシュは安心して待っててよ。こっちが安心して帰って来れるようにさ」
「うぅ……分かりました。その代わり、ちゃんと勝って、無事に帰ってきてくださいね。いつもと違って、怪我一つで大惨事につながるんですから」
「当然。というか、流石に零下100度とか言う凍死案件の場所でいつもと同じようにふざける自信はないよ。ふざけるならもっと安全な所でするし」
「そうしてください。あ、いえ、そもそもふざけないでくださいっ!」
「あはは。いやいや、ふざける余裕がなくなったらいよいよ末期だよ。それはもう、切羽詰まってるって事だしね。ふざける時にはふざける。重要な事だぜ、後輩ちゃん」
「ぐぅ……はぁ。分かりました。では、先輩。ちゃんと休憩して、頑張ってください」
「任せとけ!」
オオガミはそう言って、ベッドで横になるのだった。
シリアスしたいけどしていいのか悩むというのが、私の通常サイクル。ギャグでシリアスやるってどうなんでしょう……あり……?