「さて……わりと成長に時間がかかるよね……」
「先輩……あのですね? そりゃ、種火周回をしなかったら育成できないと思いますよ?」
「いや……ほら、今日はキャスターじゃないし……」
「そう言う言い訳はいらないです。レッツゴー先輩」
「チクショウうちの後輩ちゃんはやっぱり真っ黒だぜ……!!」
「とっても普通の事を言っていると思うの……」
もぐもぐと魔獣の肉を食べているアビゲイル。
実はエウリュアレがいないせいでオオガミの習性である人に物を食べさせるという、田舎のおばあちゃん的ソウルがアビゲイルを標的にしていたりする。
平然と食べてはいるが、実はすでに三回くらい追加されていたりする。
「しかし、クリチャーチはもう少し狩っておいた方が良かった気がしますね……先輩の悪癖を忘れてました……」
「悪癖……このお肉の事よね……まぁ、少なくなったら私が取って来るわ。それでいいわよね?」
「そうですね。最悪の場合ですけど、先輩が本当にやり過ぎたらお願いします。自重はすると思いますけどね」
「本人を前によく言うよねぇ……泣くぞチクショウ」
「泣いてもいいのよ、マスター」
半泣きのオオガミに、微笑みで返すアビゲイル。余裕の態度が更にオオガミの精神値を削っていたりするのだが、当然本人は全く気にしていないので、オオガミの精神値の減少は留まるところを知らない。
意外と、エウリュアレが帰ってきたらオオガミの精神値は残っていなさそうだ。エウリュアレを見て完全回復する可能性もあるが。
「はぁ……何気に、今年入ってからずっと精神がガリガリ削られてるから、いい加減凄い癒しが欲しい……エウリュアレとお菓子タイムはまだですかね?」
「再召喚してください。まぁ、信長さんとBBさんは再召喚できないと思いますけどね。ついでに、石は禁止ですよ」
「ふふふ……言ってくれるじゃないかマシュ……いいさやってやる。フレンドポイント超回転じゃああぁぁ!!!」
オオガミはそう言うと、召喚をしに走って行ってしまう。
それを見送ったマシュとアビゲイルは、
「まぁ、エウリュアレさんを召喚できるとは思ってないんですけどね……」
「でも、マスターは意地でやってしまいそうよねぇ……」
「……まぁ、結構回せますし……ゴリ押しでたぶん引きますよね……」
「そうよねぇ……エウリュアレさんが召喚されたら、私のマスコット的ポジションが奪われちゃいそうな……」
「いえ、別に奪われはしないと思いますよ?」
「いいえ、きっと今の状況は彼女がいないからよ。だから、ちゃんと存在を示しておかないと……」
謎のやる気を出すアビゲイル。マシュはそれを見て、微妙な表情になるのだった。
冷静に、今年入ってからいつものメンバーを全くと言っていいほど書いてなくて、地味に精神ダメージ入ってたりするんですよ……あぁ、エウリュアレよ……