「どうして私がこんなに酷使されてるのよ…」
机に突っ伏して呟くエウリュアレ。
その正面にいるノッブは、水まんじゅうを食べながら、
「仕方ないじゃろ。神性特攻は無いにしても、宝具がアーツじゃし。マスターは基本アーツ宝具を回しまくって耐久するからの……」
「うぐぐ……それでどれだけ私が殴られてると思ってるのよ…」
「マシュはそれ以上に殴られておるじゃろ」
「それはそれ、これはこれ。よ」
「はぁ……というか、そんなに文句を言っておるのに、向こうに飛ばずにこっちにおるんじゃな」
「そりゃ、現状私の仕事は無いからね……大ボス系の敵が出てこない限り出番はないわ」
「本気で耐久するときの編成って事じゃな……儂はその耐久が成り立たなかった時の保険なんじゃけど」
「神性に強くても宝具が回しにくいなら仕方ないわね。諦めなさい」
「全く……ひどいもんじゃな」
リンゴジュースを飲み、エウリュアレは席を立つ。
「どうしたんじゃいきなり。何かあったのか?」
「別に、お菓子を取りに行こうと思っただけよ。それとも、貴女が行く?」
「それは遠慮する。儂をパシらせようとか、何考えとるんじゃ」
「女神なんて、そんなものだと思うのだけど。とりあえず、行ってくるわね」
「おぅ。選んでくるが良い」
「何様よ……」
ノッブの言葉に突っ込みつつ、エウリュアレはお菓子を取りに行く。
ノッブはそれを見送りつつ、珍しくほとんど取られなかった水まんじゅうを食べる。
「まさか自分で取りに行くとはな……珍しい事もあるもんじゃ。というか、最近こんなことが多いような……エウリュアレも変わってきたという事か…?」
「お前もそれなりに変わったと思うがな」
「む、巌窟王か。儂も変わったじゃと? 最初からこんな感じじゃったろ」
「いいや。お前もあいつも、互いに菓子を譲らなかっただろう。だが、最近は互いに分け合っているからな。仲がいいと言うかなんというか」
「あ~……そう言われれば確かにそうかもしれんな…」
「まぁ、なんだ。それを自覚して認め合っていけばいいと思うぞ。俺はな」
「……お主、まさかそれを言うためだけにここに来たのか?」
「まさか。再戦しに来たに決まってるだろう。ほら、さっさと始めるぞ」
「そ、そうか……まぁいい。相手をしてやる。かかってくるがいい」
ノッブはそう言うと水まんじゅうとコップを隣に置き、巌窟王と一緒に将棋の駒を並べ始める。
と、そこにエウリュアレが帰って来た。
「貴方達、またやってるの?」
「うむ。挑まれたからには全力で応えねばな」
「そうしてくれないとこちらとしても立つ瀬がない。全力で戦い、勝つことに意義があるのだ」
「中々分かっておるではないか。巌窟王」
「フッ。そちらこそ」
「……ついて行けないわ……」
笑い合う二人について行けず、ため息を吐くエウリュアレ。
もちろん、夢中になってやっていたノッブは、隣でパクパクと水まんじゅうが食べられている事に気付くことは無かったのだった。
ホント、ランサー以外には使いますからね…唯一相手がアサシンの時だけはナーサリーが出ますけど、それ以外は圧倒的エウリュアレ率。