「はぁ……本当に何もないわね。マスターならゲームくらい持ってきてると思ったのだけど」
「いや、持ってきてはいるけど、充電がね? 流石に使うわけにもいかないでしょ」
「むぐぐ……じゃあ、他に何か出来るのはないかしら」
種火などにも行ってみたが、結局やれる回数自体が少ないので、暇を持て余しているエウリュアレ。
対して、オオガミは今、これまでの記録を読んでいた。
「ん~……じゃあ、一緒に記録を見るとかどう?」
「特異点での記録?」
「うん。ほら、結構いろんなところを旅してるし、記録はいっぱいあるんだよ」
「ふぅん? そうね。私がいない間の記録もあるんでしょうし、気になるわ」
「エウリュアレがいない間の記録……一月から三月……?」
「そうね。あ、この節分って気になるのだけど」
「あぁ……うん。百重の塔ね。阿保みたいに難易度が高かったよ……敵と言うよりも、制限が」
「制限ね……どんなだったの?」
「一回出撃するとしばらく出れないんだよね。温泉で短くはなるんだけど、それはそれとして時間がかかったね」
「温泉……私も入りたかったわ。鬼ヶ島以降見ても聞いても入ってもいないし」
「鬼ヶ島の時は俺入って無いんだよねぇ……うぐぐ」
「整備されてるわけじゃないし、許すわけないじゃない」
「まぁ、そりゃそうだけども……とりあえず、見るの?」
「えぇ。面白そうじゃない」
そう言って楽しそうな笑みを浮かべるエウリュアレ。
オオガミはそれを見て、記録を開く。
それを意気揚々とエウリュアレが見始めた辺りで、マシュが入ってくる。
「先輩。今大丈夫――――って、本当に仲がいいですよね、先輩とエウリュアレさん。今日は何してるんですか」
「あぁ、いや、記録を見直してるだけだからね。で、何かあった?」
「記録の見直しですか……主にエウリュアレさんが見てるみたいですし、問題なさそうですね。で、先輩。種火の回収をしているアビーさんが悲鳴を上げてるんですが、どうするんですか?」
「どうするって言われても……そもそもなんでアビーが種火に行ってるのか知らないんだけど……」
「え……先輩が一人で行かせたんじゃないんですか?」
「いやいや。流石にそんな事しないけども。そんな鬼畜じゃないって」
「えぇ……じゃあ、誰が原因なんでしょう……?」
「あぁ、あの子が悲鳴上げてるの? じゃあ、休憩させてあげればいいわ。戻ってきてもいいんだけど」
「エウリュアレが原因か……」
「えぇっと……伝えてきますね」
今になってアビゲイルがいない原因に気付いたオオガミとマシュ。
その後、二人はアビゲイルを呼び戻すのだった。
そろそろ絆MAXのせいでニート化が進行していっているエウリュアレ。実際はエウリュアレよりもニートしているヘラクレスという最強のバーサーカーがおってな……