そもそも、エウリュアレは対男性特化だった(だから私を先頭にしないでほしいのだけど)
「えぇ、まぁ、予想はしていたわ。でもね、実際にそうなったとき、私はどうすれば良いのかしら」
「笑えば、良いと思うよ」
ドヤ顔で言ったオオガミの足を蹴るエウリュアレ。
まさか物理的な反撃が飛んでくるとは思わなかったオオガミは、脛を蹴られた痛みに打ち震える。
「はぁ……いくらボーナスにメイン戦力が私しかいないからって、前線に私を置く必要はないと思うの。というか、むしろ私を守りなさいよ」
「しょ、正直、最強がエウリュアレだから頑張ってもらいたいのですが……っ!」
「ふん。良いわよ、別に。サーヴァントとして召喚されてから、私は守られる側じゃなくて守る側っぽいし。でも、序盤だからまだのんびりしていても良いわよね」
「そ、そうだね……うん、まぁ、ボーナス入ってないみたいだし、アビーと交代でも良いかもしれない」
「それはちょっと看過できないわ」
「なんでさ……」
ムッとしているエウリュアレ。昔はあんなに出撃するのを拒否していたのに、何故か今は嫌らしい。
「だって、なんか私の方が弱いみたいじゃない。納得いかないわ」
「いや、適材適所なだけだと思うんだけど……だってほら、エウリュアレは対男性最強なだけで、どんな敵にも通じる訳じゃないじゃん?」
「凄い不服だけど、そこは分かってるわ。でも、それはそれとして譲れないものがあるのよ」
「えぇぇ……」
じゃあどうしろと。と言いたいオオガミ。しかし、そうは思っても言わないのがオオガミだった。
「じゃあ、二人一緒とかどう?」
「そうね……いえ、でも、わりとどうにかなっているのだから、別に組み込む必要はないんじゃないかしら。盾が欲しいわ」
「盾役って……アビーでいいんじゃ……」
「ぐぬぬ……欠点が少ないから頭ごなしに否定できないのが辛いわ……!」
全体宝具では無いにしろ、使い勝手が良いと言うのは事実で、そこはエウリュアレも理解していた。
なので、はたしてどうしたものかとエウリュアレは考えるが、
「まぁ、アビーはマシュの所に置いてきたから、来ないと思うけどね」
「お、置いてきた? 連れてこなかったの?」
「うん。だって、アビーは自力で来れるだろうし。むしろ、マシュが一番危ないんじゃないかな。だって、アンリが野放しになってるし……」
「なんで野放しにしてるのよ……ちゃんと捕まえておきなさいよ……」
気付いたときにはいなくなっていたアンリ。一体どこに消えたのか分からないので、とりあえずアビゲイルにマシュ近辺を捜索させているわけだ。
「まぁ、アンリが見つかるか、マシュと連絡がつくまではこのままだよ。頑張って、エウリュアレ」
「……仕方無いわね。私の力、見せてあげるわ」
そう言って、気を取り直してエウリュアレはやる気を出すのだった。
ボーナスキャラオンリーで組んだらメイン戦力がゴルゴーン三姉妹という……あれ、私らしい……?