「さて、残るは石と大蓮華交換アイテムだ」
「前半は何とかなると思うけど、後半はもう無謀だとしか思えないのだけど」
「早くから林檎を使わないからだと思うのだけど」
「ぐぅっ、マスターに厳しい世の中じゃて……」
何となくオオガミの口調が壊れているが、エウリュアレとアビゲイルは深くは突っ込まない。アビゲイルは記録で、エウリュアレは実際に何度か同じ展開を見ているので、直し様が無いと思っていたりする。
「さて、そうやってうずくまってるのでもいいけど、早く行かないと間に合わないと思うのだけど」
「むっ。それを言われると否定できない……よし、レッツゴー!!」
「……これ、防衛してくれる人が欲しいわよね……」
今まで、周回に行く度に奪われる浜辺拠点。毎度の如く殴り飛ばしているのだが、真夏の雑草の如き再生力とタフネスを併せ持つ恐ろしきデーモン……どこかに召喚の魔法陣でもあるというのだろうか。
なので、周回している間に拠点防衛をしてくれるサーヴァントが必要と言うわけだ。
「……あぁ、防衛ね。カモン、アンリ!」
「あいよー。ってか、人使い荒過ぎんだろ……」
オオガミが呼ぶと同時に真横に現れるアンリ。
アビゲイルをして、普通に気付かなかった。なので、アビゲイルがとても悔しそうにしているが、一番反応していたのはエウリュアレで、既にアンリの真後ろで構えていたりする。具体的には、宝具を。
「それで、あの逃亡犯は?」
「最弱に頼む内容じゃないと思うんだよなぁ……というか、オレを今まさに英霊の座に帰そうとしている女神にやらせろよ……」
「あら。その頭、吹き飛ばされたいのかしら?」
「マジ勘弁。いや、捕まえて来たけどさ……流石に死ぬかと思ったんだが。本気で抵抗されたし」
「それでも平然と戻ってきてる辺り、アンリだと思う」
「なんか含みのある言い方だなぁ……」
「で、その人は?」
「そこの木に縛り付けてるんだけど……いい加減、弓を下ろしてほしいんだけど。後、正面の触手も引っ込めてほしい」
「仕方ないわね……」
「むぅ……エウリュアレさんが下すのなら、私も引っ込めるわ。じゃあ、私はあっちを見に行ってくるわね~」
そう言って、縄が見える木に向かって歩いて行くアビゲイル。そこで見たのは、剣を取り上げられたうえで両手足を縛られ、体を木に縛り付けられているランスロットの姿だった。
「……この人、再召喚されたの……?」
「うん。瞬間的に逃げられたけど」
「マシュさんによっぽど会いたくないのかしら……」
よくアンリが捕まえられたな。と思ったが、それはそれとして、防衛としては心強いので、縄を解いてあげるアビゲイルなのだった。
いやぁ、予想通り終わらないですね。
剣スロットに関しては、実は一昨日位にはすでにいたんですけどね。