「うわ~……残酷だなぁ~……」
「あっという間に消し飛んでいたわよね、第一回戦。でも、今回の三人は意外としぶといわよね」
「一人、既にお亡くなりになっているのだけど……」
今朝、オオガミのいる場所を補足して移動してきたエウリュアレとアビゲイル。
昨日はエウリュアレがいなかったため早めに就寝したのだが、どこか別の世界のマスター達がサクッと殲滅していた。その状況にオオガミは遠い目をしてしまうのも仕方ないだろう。
「あぁ、そう言えば、マシュは?」
「マシュさんは……」
「えぇ、そうね。帰ったら謝るか、自分の行いを見直すか、諦めて現実を受け入れてマシュに土下座してきなさい」
「……なんだろう、無性に帰りたくなくなってきた」
エウリュアレがここまで言うという事はどういう状況なのかを知っているオオガミは、帰ったらランスロットと一緒に姿をくらます覚悟をする。
問題は、アビゲイルというGPSも真っ青な探知レーダーがある事だろう。しかも、いつの間にかエウリュアレに懐柔されているので、はたしてこちら側に引き込めるか。
「とりあえず、アタランテとスパルタクス終わったし、残るはフラン……」
「男性じゃないからエウリュアレさんは無力ね!!」
「なんでいきなり元気になるのよ、この娘」
「ふふふ。最近戦っているようで全くメイン運用されていなかった恨み、ここで晴らすわ!!」
「……まぁ、今回のバーサーカーだけだと思うんだけどね……」
「マスター。そう言う事言わない。凹むと割と大変なんだから」
「え、また宥め役やってるの……?」
脇腹に刺さる肘。ひっそりとオオガミの出す精神的被害を押さえているのだが、オオガミのせいでエウリュアレのダメージがどんどん蓄積されていたりする。ただ、エウリュアレはオオガミを弄って回復しているので、問題無かったりする。
「全く、どうして私が苦労しなくちゃいけないのかしら」
「まぁ、それはそうなんだけども……エウリュアレのおかげで助かってるから、あんまり止めてほしくないと言いますか……」
「はぁ……えぇ、良いわよ。別に構わないわ。ただ、出来ればもう少し頻度を押さえてほしいのだけど。私の身が持たないわ」
「善処します」
オオガミは少し小さくなりながら、反省する。
エウリュアレはそんなオオガミを見て楽しそうに笑うと、
「じゃあ、アビー。ササッと終わらしてきましょうか」
「分かったわっ! マスターがなんで沈んでるかは突っ込まない方が良いわよね!」
「えぇ。突っ込んだら置いて行くわ」
「自分で帰れないのにそうやって置いて行くの、本当にすごいと思うの」
二人はそんなことを言いながら、サーヴァント狩りへと向かうのだった。
寝て起きたら終わっていた第一戦後半。皆本気すぎません? 気付いたら全滅してましたよ?
しかし、アタランテさんはクリティカルバスターさえ入れば1ターン、スパルタクスとフランはほぼ確実に1ターン、運が悪くて2ターン。割といけるなこれは(キリッ