「色とりどりで、見ていても楽しいわ。食べるとすごく甘くて美味しいのもまた格別だけど」
「三色団子は見ても食べても美味しいという完璧具合。誰が考えたんだろうね。きっと天才だよね」
「私はこし餡団子が一番だけれどね」
三人揃って団子を食べつつ、時々襲い掛かってくるチビノブを追い払っていた。
「むむむ……エウリュアレさんのお団子も食べてみたいわ……!」
「仕方ないわね。良いわよ」
「わーい!」
そう言って、エウリュアレの食べかけの団子を食べるアビゲイル。
嬉しそうに食べるアビゲイルを見て、微笑ましそうに笑うエウリュアレ。
だが、口に含んだ団子を飲み込むと、今度はオオガミが持っているヨモギ団子を狙っていた。
「……食べる?」
「良いのかしら?」
「まぁ、凄い食べたそうにしてるしね。まだ残ってるし、問題ないよ」
「わーい!」
そう言って、同じく食べかけだった、二つのうちの一つを持って行かれ、更に当然の如くエウリュアレが最後の一個を持って行ってしまった。
刺さっていた団子が無くなってしまった串を呆然と見つつ、もしや残ってるのも食べられるんじゃなかろうかと不安になる。
「……えっと、とりあえず、拠点に戻ろうか」
「ん~……次は、あれよね。陽動か奇襲かだったわよね。今回はどうするの?」
「ノッブが陽動だから、陽動だよ。だってほら、ノッブの方についてないと織田幕府のお金が使えないし」
「そう言う理由でそっちにつくのね……いえ、気にはしないのだけど」
やれやれ。と言いたそうに首を振るエウリュアレ。アビゲイルは特に気にしないで団子を食べていた。
「それにしても、陽動かぁ……とりあえず、アビーの門と触手で強襲とか?」
「陽動なのに奇襲をかけるという謎ね……流石と言うか、目的を間違えているというか」
「でも、楽しそうではあるわ! ふふ。やってみるわ!!」
「いや、だからやっちゃダメだって……いえ、もういいわ」
エウリュアレが苦い顔になっているが、オオガミとアビゲイルは気にしていなかった。
陽動とは言っても、一切陽動するつもりも無く、正面から堂々と奇襲をかけるつもりだった。
「まぁ、混乱させられるのは確かよね……奇襲が意味をなさなくなると思うけど」
「それはほら、新選組の方々に頑張ってもらうしかないんじゃないかなって」
「他人任せねぇ……でも、大体いつも通りね。それでいいのならいいけど、向こうは大変そうね」
「あんまり気にしないから問題ないと思うし、土方さんなら何とかしてくれるでしょう。うちには沖田さん来なかったし、知らないね!」
「カルデアに来なかった相手には容赦ないわね……」
満面の笑みで言い切るオオガミに、そろそろ胃が痛くなってくるんじゃないかと思うエウリュアレ。
そんなことを話しながら三人は陽動戦へと向かっていくのだった。
なんだろう、ほとんどイベントについて語らないレアな奴……とりあえず、終始織田軍で過ごしてみようかなと、今回は思っております(キリッ