「後2日だけど、大丈夫?」
「……まぁ、なんとかなるかなって思ってる」
野菜を見つつ、返事をするオオガミ。
現状、ポイントも素材交換も終わっていない。小判に至っては、手も出していないような状況に近い。
なのでエウリュアレは心配したが、それほど気にするべき事でもないようだった。
「貴方がなんとかなるって言うのなら、なんとかなるんでしょうね。茶々が大活躍かしら」
「そうなると思うよ。なんだかんだ、最強は今のところ茶々だし」
「本人が聞いたら自慢して、アビーに叩き潰されそうね」
「ハハッ。十分あり得る。アビーはそういう感じの子だし」
「本人が聞いてたら吊し上げられるわよ?」
「まぁ、その時はその時だよ」
いくつかの野菜を買い、次は肉屋へと向かう。
つもりだったが、足を止めて、別の方向へと歩き出すオオガミ。
「どうしたの……って、櫛?」
「うん。エウリュアレの髪をとかすのに良いかなって思って。人数分揃えるのは……流石に無理があるかな」
「そう……じゃあ、私も選ぼうかしら」
そう言って、奥の方まで探しに行く二人。
* * *
「櫛を買いに行ったのかしら。なんか、いろんな色がいっぱいあるわ」
「まぁ、普通の櫛以外にも、飾り櫛とかあるし。というか、ちゃんと見えてるの?」
何処かから調達してきた双眼鏡でオオガミ達を監視しつつ、話す二人。
屋根の上から見ているが、本来なら双眼鏡無しでも普通に見える距離だ。なので、双眼鏡は見た目的な問題だろう。雰囲気は大事だった。
「ん~……二人とも、凄い楽しそうで、ちょっと羨ましいのだけど」
「ま、あの二人だし、是非もないよね。叔母上も、何時かやるって思ってたって言うだろうし」
「むぐぐ……流石エウリュアレさんね……何時か乗り越えなくちゃいけない壁……!」
「茶々、越えられないと思うの。あれはもう、マスター洗脳するしか……」
「洗脳……ありね」
「あぁ……そういえば、出来る側だった……茶々、そのうちマスターがおかしくなっちゃうんじゃないかと、ワクワクしてる」
「茶々さんも普通に怖いわよね。発想的に」
「実行しない分、圧倒的にマシだと自負してる」
暗にアビゲイルは実行しかねないと思っている茶々。
当然、アビゲイルはやるつもりだった。というより、過去に実行しようとして、何度もエウリュアレに撃ち落とされていた。
「むぅ……エウリュアレさんの防衛、普通に攻めにくいのよね。なんでか分からないのだけど、門の出現場所を先読みされて迎撃されるし、女神の神核のせいで洗脳されないし……」
「なんで戦闘してるの……茶々、実は絶体絶命の危機だったりする……?」
隣のアビゲイルを横目で見つつ、ゆっくりと距離を取ろうとする茶々。しかし、すぐに触手に捕まって、引き戻された。
宇宙的恐怖からは逃げられない。茶々はそう察したのだった。
正直櫛を買いたいがために続けていた節がある……
しかし、尾行してる二人組が怪しくなってきた……これ、茶々の安否が心配……