「ふぅ……一件落着。これで素材回収は完了だね」
「えぇ。モニュメントがないのを除けば、完璧よね」
マイルームに戻ってきたオオガミ達。
そして、エウリュアレの一言に苦い顔になるオオガミ。
事実、モニュメントの回収は出来なかったので、言い返せないのだ。
とはいっても、モニュメントはかなりの数を持っているので、そこまで重要度は高くない。
「でも、素材回収が終わって本当によかったわ。どうしてこんなになるまで放置してたのかしら」
「茶々、知ってるけど黙っておくね。マスターの名誉のために」
「ちょっと待って茶々。何を知ってるの? ねぇ、何を知ってるの?」
少し怒っているアビゲイルと、不穏な笑みを浮かべた茶々。
オオガミは茶々が何を知っているのかと不安になるオオガミだったが、じりじりと距離を取って絶対に捕まらないようにしている茶々を捕まえられるわけもなかった。
「まぁ、マスターの事だし、余裕だと油断しまくってこうなったんでしょうね」
「マスター……残念なのね……」
「ねぇ、エウリュアレ? 知らないところで評価を下げていくの止めて?」
「嫌よ。面白いもの」
「うぐぐ……意外とダメージデカいのに……!」
「ふふふ。そう言う反応が好きなのよ」
「エウリュアレさんも、性格悪いのね」
意外と同類の様な気がするエウリュアレとアビゲイル。
オオガミとしては、ぜひとも止めてほしかった。
「まぁ、とりあえずマシュに会おうか。送った食料がどうなったのか気になるし」
「ジークさんもいるし、大丈夫だと思うのだけど」
そんなことを話しながら扉を開けると、
「あぁ、おかえりマスター。一応彼女に許可は取って八連双晶を使わせてもらっているよ」
「ご、ゴーレム……!! て、敵じゃない安全なゴーレムなのよね!? 乗ってもいいかしら!?」
「アビー、ストップ。ちょっと落ち着いて。エウリュアレ、チェンジ」
「はいはい。アビー。こっちよ」
目を輝かせながら騒ぐアビゲイルを再び室内に引き込んでいくエウリュアレ。
ほっとため息を吐くと、通路の奥からジークが出てくる。
「あぁ、もうイベントは終わったのか。突然彼が召喚されて驚いたが、食料運搬用のゴーレムを作成してくれたのは助かった。素材を一部借りているが……問題ないだろうか」
「あぁ、いや、マシュが許可したなら問題ないんだけど。で、そのマシュは?」
「彼女は今、部屋で休んでいるよ。僕がするまで働き詰めの様だったからね」
「休んだ方が良いとは言っていたのだが、あまり聞いてくれなくて困っていた所に彼が召喚されて助かった。大量のゴーレムを見て、ようやく休んでくれたよ」
「……ちょっとマシュの所に行ってくるね。エウリュアレ、アビーと茶々をよろしく」
「私の苦労が一番だと思うのだけど」
エウリュアレの言葉を最後まで聞かずにマシュの元へと向かうオオガミ。
無視されたエウリュアレはため息を吐いて、仕方がないとばかりに暴れるアビゲイルを解き放つのだった。
モニュメントロストは想定内。
1300万? ちょっと知らないですね。骨美味しいです。