「あ、バーサーカー」
「えっ」
「やったっ! 茶々以外のアタッカーキタコレ!!」
オオガミの呟きに頬を引きつらせるアビゲイルと、同士が増えた事によって喜ぶ茶々。
エウリュアレは見なかったことにして、落ちた種火を拾っていた。
「ふっふっふ。これで茶々のボッチ解消だね。茶々大勝利!」
「い、いえ、待ってマスター。複数体いるのだから、茶々さんの方が良いはずよ」
「いや、敵は一体なんで、アビーでもいける」
「そんな……! いつもなら嬉しいはずなのに、今回だけはすっごい微妙……! 茶々さんを見てたからかしら……?」
「茶々と同じ運命を辿ってね! 期待してる!」
「そんな期待は嬉しくないわ!」
「くっくっく……ついでに茶々の秘密の情報も言っておくと、マスターは大体ひねくれものだから、一番絆ポイントが美味しいメインを星4以下で走ったりするし、大体詰まる相手も似たようなのだから、絆10を出して終わらせるせいで、周回以外で絆を上げる方法がないよっ!」
「ぐだぐだ組だからって、言って良いことと悪いことがあるからな!? 分かってるのか、茶々!」
「茶々、子供だから分かんない!」
「こういう時だけ子供になるのをやめよう!?」
「わ、悪い人ね……!!」
わなわなと震えるアビゲイル。
オオガミは茶々のグレーすぎる発言に震えていた。
そして、当の本人である茶々はドヤ顔をしていた。
「ね、ねぇマスター……今の方法なら何言っても許されるのかしら!!」
「常識を持って用法・用量・節度を守って使ってね!?」
「使うこと自体に文句を言わないマスター、流石だと思う!」
今のやり取りを見ておきながら、普通に参考にしていいのかを聞いてくるアビゲイルもさることながら、それに対して使用禁止しないオオガミも流石だろう。
茶々的には、自分がやる事も問題ないと暗に言われているので、文句を言う理由も無い。
「全く……エウリュアレもなんか言ってよ」
「……そう言えば、エウリュアレさんの姿を見てないような……?」
「ん……あ、あそこにいるよ」
そう言って茶々が指差した先を見ると、種火に囲まれた状態で黒武者とキメラに襲われているエウリュアレの姿が。
「……え、いや、待って待って待って。いや待つんじゃない、とりあえず助けに行くよ!?」
「え~、茶々メンドくさ――――」
「第一投!! 茶々さん砲!!」
突然触手に捕まれ、投げられる茶々。
投げたアビゲイル以外が呆然としている間も、茶々は敵の群れのど真ん中へと突撃していっている。
「え、いや、ちょっ、茶々砲ってなんなげふぅ!!」
「ぐだぐだ勢っぽい着地……!! やっぱりノッブの姪なんだなって……!!」
「騒いでるのはいいけど、ミイラ取りがミイラにって状況になってるんじゃないの?」
顔面から着地した茶々を見て、目を輝かせるオオガミに、冷静に突っ込むエウリュアレ。
それで冷静になったオオガミは、アビゲイルを連れて二人を救出に向かうのだった。
もはやカオス。そして、アーラシュ・頼光・アビゲイルでダブルマーリンを使って周回しているのが実際の風景だったりします。いやぁ、勾玉は完全に不足してましたからねぇ……まぁ、リンゴは使わないんですけど。
茶々の火力じゃ削り切れない悲しさ……