「無間の歯車という戦争の火種……」
「鳳凰の羽じゃないせいで炎上不可避ね」
「もうなにしても炎上しちゃうと思うから、とりあえず秘石確定ドロップか、3桁配布で良いと思うの」
「茶々はいい加減休憩したいなって」
明後日の方向を見る茶々に、流石に良心が痛み、黙祷するオオガミ。
「さて、茶々を休憩させるのはなんとかなるとして、代理は彼女しかいないかな。レベル的に」
「ハッ! まさかマスター……あの、宝物庫荒らしに理不尽にも任命されちゃった彼女を呼ぶのね……!?」
「なんでアビーは何でも知ってる風なのかしら」
「茶々分かる。たぶんシャドウ・ボーダー一番乗りの英霊だから知ってるんだよ。で、マスターが見つけられなくて困ってたのも知ってる」
「来た時に即座に門送りにしてたもの……大体主犯はアビーよね」
後ろで色々と言われているアビゲイルだが、一切気にしていないのは、流石と言うべきか。
とにかく、彼女の居場所を知っているのはアビゲイルだけなので、呼び出してもらう。
「私の楽の為に、召喚!!」
「ひっどい理由よね」
「茶々は文句言わない。贅沢は必須だと思った」
「貴女も大概よね」
そんなことを話している間に門が開かれ、落ちてきたのは一人の少女。
しかし、明らかに突然連れて来られたにもかかわらず、普通に着地する。
「あら、突然落とされて驚いたのだけど、マスターがいるわ。というか、かなり久しぶりに会った気がするわ」
「こっちも同じ気分なんだけど、そもそもシャドウ・ボーダーで会わないのはなぜ……?」
「私も分からないわ。でも、シャドウ・ボーダー内にいたのは確かよ」
「むむむ……探索が足りなかった……?」
考えるオオガミ。しかし、当の本人のはずである少女――――アナスタシアは、全く気にしている様子は無かった。
そんな二人を見ていたエウリュアレと茶々の横にさりげなく並ぶアビゲイル。
「で、どこに隠してたの?」
「既にアビーが隠してた前提の聞き方に茶々びっくりだよ」
「マシュさんの部屋に送り込んでたわよ? マスターがマシュさんの所に向かった時は慌ててマスターの部屋に移動させたわよ。そんなに門送りにしてないはずなのに、適応されてすっごい複雑な気分なのだけど」
「事実アビーが原因なのが茶々的にホラーポイント」
もはや一周回った信頼がある二人。
茶々は驚きを隠せないが、平然とアナスタシアを隠そうとするアビゲイルにはちょっと恐怖していた。
「とりあえず、アナスタシアでどれだけいけるかだね。最悪の場合茶々皆勤賞の可能性」
「えっ……もう茶々やりたくないんだけど。茶々、もう帰りたいんだけどっ!」
「まぁまぁ。行きたくなくても、門を開けるのは私だけだから頑張ってね」
「茶々……強く生きてね……」
「エウリュアレのアホー!!」
アナスタシアと共に向かうオオガミ。
その後ろを、茶々は叫びながらもアビゲイルに連れて行かれ、エウリュアレはそれを見守るのだった。
当然、今なお生存中であろう花の魔術師は声だけ参加してもらう事に。英雄作成して幻術かけて夢幻のカリスマ使ってくれるだけでええんやで……(ブラック感