「さて。今日の夕飯の要望はあるか?」
「パンケーキ!」
「ハンバーグ!」
「両方取ってお子さまランチ!」
「なんでマスターからお子さまランチって意見が出るのよ」
エミヤの質問にアビゲイル、茶々、オオガミの順で答え、すかさずエウリュアレに叩かれるオオガミ。
なお、アナは我関せずとばかりに目を逸らしている。
「いやなに、作る分には問題ない。が、アビゲイル嬢にはカルデア――――いや、シャドウ・ボーダーから食材を持ってきてもらう必要があるな。頼めるだろうか?」
「任せて! 荷物運びは超一流よ!」
「それは凄い。お手並み拝見させていただこう」
頼んでいるエミヤと、やる気満々なアビゲイルを見て、エウリュアレは一言。
「何故かしら。無性に宝具を撃ちたいのだけど」
「謎の怒りに燃えないでください女神様」
「姉様。やるなら私が」
「アナも乗らないでください」
暴走しそうな姉妹を止めるオオガミ。
二人とも、やると言ったら本当にやりかねないので、意外と笑えなかった。
そんな事を話していると、どうやらエミヤの方の準備が終わったらしかった。
「ふふん! これで全部ね!」
「あぁ、助かったよ。では、早速調理に入るとしよう」
「隣で見ていても良いかしら?」
「構わないとも」
そう言って、エミヤの後ろをついていくアビゲイルを見て、エウリュアレは一言。
「メドゥーサを差し向けてあげようかしら……」
「ストップエウリュアレ。それ以上いけない」
「分かりました。斬り潰しておきます」
「絶対やるんじゃないよアナ」
「なんで止めるのよ」
「料理係がいなくなったら、おやつ消滅の危機だけど良いの?」
「……仕方ないわね。今日のところは許してあげるわ」
「めっちゃ上から目線……」
今日は妙に機嫌の悪いエウリュアレ。アナもエウリュアレに言われて行動しかけるので、本当に危なかった。
しかし、やはりおやつを盾にすることで落ち着いてくれるのは助かった。
「ふっふっふ……マスター、大変みたいだね」
「おぅ茶々。お陰で周回が捗りそうだから、後で走るよ」
「そんな……っ! マスターが辛い目に遭うと、茶々に甚大な被害が……!!」
「ククク……今更気付いてももう遅いのです……!」
「ま、マスターのおにー! あくまー! ガチャ爆死ー!」
「いや待て茶々それはめっちゃ効グフッ!」
血を吐いて倒れるオオガミ。その一言は、オオガミに大ダメージが入ったようだった。
「よ、よし……マスターは死んだ。これで茶々の労働終了!」
「く、クケケ……茶々もこっちへ来ると良いよ……」
「ひ、ひぃっ! 諦めて成仏して! 早く! 帰って!」
「拒否が本気すぎると思うんだけど、見てて面白いからもっとやって良いわよ」
「エウリュアレも悪魔みたいだな……!」
「今更だし! ていうか、血塗れで向かってくるの、本当に怖いんだけど!?」
来るなと言っているときに茶々が蹴ったせいで怪我をしていたりするのだが、そこら辺を棚にあげて言ってくる辺り、流石と言ったところだろうか。
そんなオオガミを見かねて、エウリュアレはオオガミを引きずっていくのだった。
なお、シャドウ・ボーダーにはタマキャがいる模様。カルデア料理部はこれで揃ってたりする。
えぇ、えぇ。今回の戦果は、まぁ、はい。そんな感じでしたとも。エミヤ一人と李書文二人というコンボですとも(吐血