「うむうむ。さりげに今までのノッブ全員集合してるし、アヴィケブロンに持って帰ろうか」
「マスターの部屋においた、爆発しないように改造したのが持っていかれたら困るものね!」
「それ以上に、なんでマスターの部屋においてるのかが凄い気になるのだけど。誰も倉庫に持っていかなかったの……?」
「アビゲイルが阻止したので、私ではどうしようも。姉様が特に何も言っていませんでしたし、優先度は低いものとしてましたが」
「茶々は時々イラッとした時に殴ってストレス発散してるから有効活用してるよっ!」
「そういう活用法でいいのか……? ノッブ泣いてない……?」
自分の叔母に似ている生物に容赦なくストレスを叩きつける茶々に、なんとも言えない顔をするオオガミ。
しかし、わりといつもの事なので今更な気もする。
「まぁ、ノッブは色んな所に恨みを買ってるからね。しかも変なカリスマもあるから、トラブルメーカーだし」
「叔母上は恨み買いやすいからね! 仕方ないよね!」
「是非もなし! とか良いそうだしね。ノッブだし」
「二人とも、ノッブへの当たりが強いわよね……いえ、分かるのだけど。毎度追いかけられてるような気もするし」
「追いかけられた記憶もあるけどね……?」
「それはマスターだけだと思うのだけど?」
大体何かをし始めるのはノッブだったりするので、別段嫌われているわけではないのだが、周囲への被害がいつも酷かったりするので、サンドバッグノッブがあったりした。
当然、本人は知らない。ついでだが、BBちゃん版もあった。
正直すぐにバレて処分されると思っていたので、三ヶ月も生き残っていたのが奇跡のようだった。
「あぁ……そういえば、もしかしたら彼なら複製してくれるかもね?」
「ハッ……! そうか、これはゴーレムみたいなものか……!! つまり、ちびノブ量産計画……!! これはもう、頼むしかないね!!」
「あ、変なスイッチ入れちゃったかも……」
「エウリュアレが面倒なスイッチ入れた……! 茶々の地獄がグレードアップする……!!」
「安心して! 私が捕獲するから、茶々さんは何も考えず倒しちゃって大丈夫よ!」
「ほんと!? やったー! 面倒なのが増えなかった! でも面倒なのは変わらないくっそー……」
「茶々のテンションの変わりようについていける気がしないのだけど……」
茶々のテンションの変化になんとも言えない顔をしているエウリュアレに、お前が言うのかとばかりの表情を浮かべるアビゲイルとアナ。
オオガミは人の事を言えないのを自覚しているので、何も言わない。
「まぁ、少ししたら、ちょっとだけ周回して帰ってこようか。急ぐ理由もないしね」
「ちびノブ集め、頑張るわ!」
「とりあえず全部焼けばいいよねっ!」
ちびノブを保護しようと気合いを入れるアビゲイルと、一切合切焼き尽くすつもりの茶々。二人が相反しているので、喧嘩にならないだろうかと危惧するオオガミだった。
我がカルデアにおいて、わりとノッブとBBは指名手配級だったりします。危険人物的な意味で。
大体いつもの事だけどねっ! 是非もなし!