「さて、マシュの部屋に侵入したわけだけども……」
「見つかったら絶対殺されるわ……キャメロットは伊達じゃないのよ……?」
「あらゆる攻撃を無にする白亜の城は洒落にならない。マジ無理そうなったらマスター差し出して茶々逃げる」
「じゃあついて来なければ良いじゃん……! なんでわざわざ来たの……!?」
ヒソヒソと話しつつ、マシュの部屋を捜索するオオガミ達。
ちなみに、今回のメンバーは、もはやお馴染みのエウリュアレ・アビゲイル・茶々の四人組だ。
マシュの部屋に何をしに来たのかと言われれば、なぜマシュが作業量が減っているはずなのにひたすら働いているのか、その実態を知るためだった。
「まぁ、マシュが近付いてきたらアビーの門で退避で。後、あまり部屋の物を弄らないこと。バレる確率が上がるからね」
「分かったわ、マスター!」
「茶々も殺されたくないから下手に触らないし。大丈夫大丈夫」
「……本当に潜入してるみたいで、なんとなく後ろめたいような……」
「それじゃ、順番に探っていこうか」
そう言って、マシュの机の上を調べ始めるオオガミ。
しかし、特にめぼしい物は見当たらないのはある意味自然だった。
「むむぅ……一体どこに隠しているのか……」
「そもそも何が見つかると思ってたのかしら……」
「マスターの事だから、特には考えてなかったと思うの」
「茶々もそう思うけどね。まぁ、何か出てきたら面白そうだとは思った」
「……じゃあ、帰ろうか」
想像以上に何も無かったので、仕方なく帰る四人。だが、オオガミは部屋を出る寸前で、
「何というか、割と不安になるレベルで何もないんだけど……本当に大丈夫なのかな……?」
異様に何もない机に、そんな事を呟いて外に出るオオガミ。
そして、誰もいなくなったはずの部屋に、天井から降りてくる人影。
「ふぅ……何とか先輩に気付かれなくて済みました。いえ、エウリュアレさんだけはなぜかこっちを見てたんですけど。まぁ、黙っててくれたので結果良しです。流石にバレると不味いですからね」
そう言って、土方印、カーミラ印の拷問術書を机に戻すマシュ。
対オオガミ及びBB用に用意したものではあるが、今では無用の長物と化している。
だが、いずれは使うだろうという事で机の中に保管していたのだが、オオガミ達が来ることを察知したマシュが予め天井に隠し、そのまま自分も隠れたというわけだ。
エウリュアレ以外にバレなかったのが奇跡だろう。
「まぁ、先輩も心配してくれていたみたいですし、一切合切持って逃げる必要は無かったですかね……」
そう思うが、オオガミのいつもの行動を考えると、あまり心配する必要も無い気がしてきた。
「ん~……とりあえず、先輩の後を追いますか」
天井へ持ち込んだものを適当に机の中にしまい、マシュはオオガミを追いかけるのだった。
なお、拷問術書はこれ以外にもある模様。恐ろしい話である……
そして、そろそろオオガミ君以外にもスペックバグを起こし始めたのが出てきた模様。エウリュアレ……オオガミの近くにいるから……(今更