「ジャンヌぅ~!」
「何気におっきい方が来たこと無いのよね。おまけでなサンタの方を再召喚する?」
「……それは、どうなんだろうか……」
エウリュアレの提案に考えるオオガミ。
調子に乗って再召喚するのはありなのだろうかと考えるが、帰って来たバニヤンの事を考えると悩ましいものだった。
「……そういえば、バニヤンは?」
「あぁ、バニヤンならCEOに預けてるよ。キャットもいるし、大丈夫だと思うけど」
「そう。それなら良いわ。後、メドゥーサはどうしてるの? 最近見ない気がするけど」
「最近は厨房にいるよ? オカンとキャットの二人に料理教わってる」
「ふぅん? そんなことやってるの……ちょっとちょっかいかけてこようかしら」
「邪魔にならないようにね?」
「もちろんよ。ちゃんとつまみ食いしてくるわ」
「だからそれを止めろって言って……あぁ、うん。聞いてないよね」
走り去ったエウリュアレに、オオガミはため息を吐く。
追って行ってもなぜか一緒に怒られるのが目に見えているので、見なかったことにしておくのだった。
「さて……そろそろ突撃してくるのがいるかな……」
「突撃ぃ~!!」
「わ~~い!!」
「本当に容赦なく突撃していくんだな……」
オオガミの読み通り、突撃してきたアビゲイルとバニヤン。エルバサもついて来てはいるが、止める様子は無かった。
「珍しくエウエウがいない! ならばマスターに突撃ぃ~!!」
「倒れるぞぉ~!!」
「ゴフゥッ……回避不可能な状況で突撃してくるとは、やるじゃないかアビー……」
「ふふん! バニヤンとの連携プレイで攻めた甲斐があったわ!」
「えへへ~。初めてマスターのお膝に乗ったかも~」
「ぬわあぁぁ!! 私も乗りたいんだけどぉ!!」
「だめ~。先に座ったもの勝ちだもん。エウリュアレが言ってた」
「あの人は何を教えてるの……!?」
「また変なことしてるねぇ……」
「お前もあまり人の事は言えんがな」
「……エルバサさんは厳しいです……昨日も王様に叱られたばっかりなんだけどなぁ……」
オオガミの膝を取り合って取っ組み合いをしている二人を見ながら、エルバサの指摘に苦笑いをするオオガミ。
昨日術ギルの元へ突撃して「仕事をしろ」と怒られたのが聞いているようだった。
「というか、なんで部屋に突撃しに来たのさ」
「ん? あぁ、アビゲイルが提案してな。バニヤンも一緒に向かったから仕方なくだ。特に深い理由はないだろうさ」
「そ、そう……まぁ、来るのは構わないんだけどね。保護者同伴は珍しいのでつい」
「誰が保護者だ。どちらかと言うと、お前の方が保護者だろう」
「あぁ、うん。そうなんだけどさ……こう、雰囲気的なものだよ」
「……そういうものか」
エルバサはそう言って、一人頷くのだった。
エルバサさんの保護者感……どこから来たんだろう……