「ふぅん……ラーメン……ね。美味しそうだし、食べに行こうかしら。でも、アナは茶々に連れ去られたのよね……」
そう、手に持った本を閉じて呟くエウリュアレ。
一人で街中に出るのも良いが、基本財布をアナかオオガミに持たせているので、自分で持つことがほとんど無かったりする。
「……カバンも、ついでに買おうかしら」
出来ればショルダーポーチみたいに出来るだけ軽いものが良いなと思いつつ財布を手に持って部屋を出る。
* * *
「……!! 茶々の面白センサーが受信した! 町に戻るよ!」
「えぇ!? すぐにですか!? まだ片付けが終わってない……!」
「……!! 姉様が面倒事に巻き込まれる気配がします。急いで戻らないと……!」
「アナさんもですか!? しかも同じ方向を見てるし……!!」
野宿をして山頂からの朝日を拝んだ茶々たちは、茶々の判断的に目標を達成したらしいので、現在は撤収準備をしていた。
「というか、手伝ってくれるとありがたいんですけど!」
「あぁ、すいません。今やりますね」
「じゃ、茶々は先に行って見物に良さそうな場所押さえておくね!」
「誰が行かせますか。貴女も手伝うんです」
逃げようとした茶々の足を鎖で捕らえ引きずり戻す。
当然足をとられた茶々は盛大に顔面を地面に打ち付け、沈黙する。
それを見た騎士姫は、
「あ、あの、茶々さんが物凄く痛そうな音をたてて倒れたんですが……!」
「大丈夫です。アレくらいで死ぬような人じゃありませんし、血も出てないでしょう」
「いや、流石に茶々でも血は出るよ!?」
ガバリと起き上がり、額から血を流しながら半泣きになっている茶々に若干震える騎士姫。
アナはそんなことに目もくれず、テキパキと作業をこなしていく。
「てか、アナがやるなら茶々要らなくない?」
「それはそれ、これはこれです。というか、自分でやろうと言ったのだから、片付けもやってください」
「むぅ……エウリュアレの時と全然対応違うし……ぐぬぬ。なんかめっちゃ羨ましいんだけど……!」
「姉様と同じ扱いなわけないじゃないですか」
「スッゴい辛辣……!」
アナの対応に若干泣きそうな茶々。
騎士姫も、茶々に釣られてちょっと泣きそうになっていた。
「とりあえず、片付けは終わりましたから、行きますよ。姉様が待ってるんです。急がないと」
「ほとんど一人でやってたじゃん……! やっぱ茶々を捕まえてなくても良かったでしょ!」
「それはそれ、これはこれです。さぁ、早く行きますよ」
そう言って、アナを先頭として、三人は下山するのだった。
拉麺好き好きアナスタシアさん……ちょっと普通に読んでみたいと思ったんですけど……誰か書いてくれないかな……(チラッチラッ