「いやー……あっついねぇ。こんなの、焼け死ぬよなぁ」
「そりゃお前さん、真っ黒だしな。熱が集まる色彩だし、燃えるでしょ」
「いや、流石に燃えやしねぇけども……まぁ、暑いのは確かだ」
浜辺を歩くアンリと新シン。
一緒にいたはずのイシュタルは取れた魚を楽しそうに焼いていた。
ちなみに、魚取りの結果は引き分け。というより、サメと格闘してうやむやになった。
「というか、下処理は手伝った方が良かったんじゃねぇの?」
「それもそうなんだけど、イシュタルが自分でやりたいって言ってたし、放っておくのが一番かなってさ。まぁ、何とかなるでしょ」
「……丸焼きなんだけど、なんか嫌な予感がするよなぁ……」
アンリはそんなことを呟きつつ、イシュタルの方へと向かう。
新シンもアンリに合わせてついて行く。
「でも、丸焼きで失敗って、どんなのがある?」
「丸コゲが一番だろ」
「生焼け……もあるか? 生臭いのは流石にねぇ……内臓くらいはちゃんと取り出してくれるとは思うけど」
そんなことを話しながら、アンリと新シンはイシュタルの元へと若干急ぐのだった。
* * *
「茶々登場!」
「姉様は――――」
町まで駆け下りてきた茶々達。
そんな三人に、ショルダーバッグを買って機嫌が良かったエウリュアレは不思議そうな顔をしながら、
「どうしたの? 何かあったのかしら」
「ね、姉様が一人で町に……!? マスターは!?」
「本を作ってるし、流石にちょっと妨害は出来ないでしょ……最初はやってたけど、普通に無いように興味出てきたし……読める本にはなってほしいわ」
「な、なるほど……? では、姉様が一人なので、私はここで」
「面白そうだから茶々もついてく!」
「えぇ……本気でフリーダムだこの人……」
「……リリィも振り回されて大変ね。少しは休めると思うし、一緒に行きましょ」
「は、はい……」
エウリュアレは騎士姫の手を引いて、街巡りを再開する。
「それで、姉様は何をしようとしてたんですか?」
「とりあえず財布を入れるバッグは買ったから、食べ歩きでもしようかなって。パンケーキとか気になったしね。皆と合流したから、一人で入らなくで良くなったわ。流石に一人はちょっと寂しいからね」
「なるほど……じゃあ、行きましょう」
「パンケーキ……ハワイのパンケーキは一味違うと聞いた……!! 茶々楽しみだなっ!」
「凄いパンケーキ……ですか。私も気になりますね……一体どんなパンケーキなんでしょうか……」
エウリュアレの提案に、アナはとりあえず向かおうとし、茶々と騎士姫はとても楽しみにして向かうのだった。
エウリュアレが出ないと死んじゃう病なのか私は……
というか、初日を除いて登場しないオオガミ君よ……