中旬とはなんだったのか(今日からですってよ)
「唐突に今日の午後から始まる事になった『ぐだぐだ明治維新』ですが…ねぇノッブ? 中旬って言ってなかった?」
椅子に座り、机の上で手を組み、謎の威圧感を醸し出すオオガミ。
その対面にいるのは、魔人アーチャーこと、織田信長。ノッブである。
「い、いや~…まさか繰り上げがあるとは思わなんだ。儂はもうゴールデンウィークだと考えてたんじゃがのう。不思議なこともあるもんじゃ」
「ふむふむ。弁解はそれだけかな?」
「いやいや、弁解なんて、そんなことしてないぞ? 儂はちゃんとこの日に備えておったではないか。マスターに種火を要求し、モグモグ食べ、スキルも強化されておる。万全の対策ではないか」
「未だに80までたどり着いてないけどね」
「そ、それはマスターが種火をクラス対応の種火しか渡さないからじゃろ!? 儂は悪くない! 儂は悪くないのじゃ!」
机を強く叩き、抗議するノッブ。
確かに、スキルもそこそこ上がっており、レベルも、上限までとはいかないが、一応70は越えている。
しかし。しかしだ。
「何よりも俺が言いたいのは、なんでピックアップに沖田さんがいないんだ!」
「それ儂関係無くない!?」
「登場するんだろ!? どうせきっと登場するんだろ!? じゃあピックアップして良くない!? なんでいないんだよ!」
「それ儂じゃない! 運営じゃ!」
「よし。ノッブに判決を言い渡す! ぐだぐだ明治維新連続周回の刑に処す! エルキドゥ! エリザベート! 連行するんだ!」
まるでその号令を待っていたかのように、机の下から突如現れるエルキドゥ。
「……あれ? エリザベートは?」
「あぁ、彼女は帰ったよ。飽きたって言ってね。全く、付き合わされる方の身にもなってほしいね」
「あ~…帰っちゃったか。いや、まぁ、エルキドゥがいれば大丈夫! 拘束力はエルキドゥに方が強いしね!」
「はいはい。分かったよ」
エルキドゥはそう言うと、逃げようとしていたノッブを鎖で巻き、ついでに足払いも掛けて転ばせる。
「ぬぉ!? ちょ、まだ始まってないじゃろうが! 今連れていっても意味はないのじゃ! ま、待て! ってか、わざわざこの二人を用意するとか、さては最初からこのつもりだったな!」
「ふはは! 当たり前だ! だってノッブは今回もポイントアップキャラだしね!」
「ぬわぁぁ!」
「あ、エルキドゥ。とりあえずノッブの部屋に放り込んでおいて。あくまでも何かをやらかさないようにしてるだけだから」
「ほんと、こんなことやる必要あるのかな…」
叫ぶノッブを無視しながら、エルキドゥはそんなことを呟いて部屋を出ていった。
すると、入れ替わるようにマシュが入ってくる。
「あ、先輩。あの、信長さん、どうかしたんですか?」
「いや、前回の本能寺の如く、何かをやらかすと思ったから部屋に連行してる最中?」
「は、はぁ…なんで疑問系なのかが気になりますけど…先輩。次の編成、どうするんですか?」
「ん~…とりあえずノッブとマシュは入れるつもりだけど、後は敵に応じて、かな。行ける?」
「はい。任せてください。先輩」
「じゃあ、イベントまで休憩にしようか」
「分かりました。あ、それと、信長さんは始まるまではずっと部屋に入れておくんですか?」
「いや、たぶんどうやっても開始前に部屋を抜け出してると思うから、放置でいいと思うよ?」
「確かにそんな気がしますね。なら大丈夫…ですかね。じゃあ行きましょうか」
二人はそう言って部屋を出るのだった。
いやぁ…今日からとか、知らなかった…そんなFGO歴長くないから分からないんですけど、繰り上げってどのくらいのペースであるんですかね。