今日のカルデア   作:大神 龍

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BBはゲームをしたかっただけ(違います!作りたかったんです!)

「センパイ。このカルデアって、ゲーム機ありましたっけ?」

 

 マイルームで倒れていると、突然入ってきたBBにそう言われるオオガミ。

 

「ん~……あるんじゃない? まぁ、どこにあるか知らないけど。探そうか?」

「そうですねぇ……どこにあるか予想もつかないですし、お願いします」

「ん、了解。というか、どうして突然?」

 

 軽く身だしなみを整え、マイルームから出つつBBに聞く。

 

「さっきノッブに絡んだら、何やら乗り物を作っていて忙しいとか言われまして。それで、何となくゲームでも作ってやろうかと。そのためには機器が無いとダメですし、あの戦国時代の武将にはゲーム機なんか作れなさそうなので、最初からあるのを使って作ろうかと。最強AIっていうのを見せてやるつもりです」

「なるほど。つまりノッブが楽しそうに工作してるからBBも対抗心燃やして大作を作ってやるっていう事か。なるほどなるほど。じゃあ真面目に探すかな」

「ちょっと、私はそんなつもりないですから! まぁ、確かに大作を作るつもりというか、作りますけど、別にノッブに対抗心なんか全然燃やしてませんから! 敵としてすら見てないです!」

 

 頬を膨らませてBBはそう言うのだが、オオガミは真剣にどこにあるかを悩んで話をほとんど聞いていない。

 

「ん~……とりあえず、困ったらエルキドゥだね。大体何でも知ってる感じ」

「マスターなのにそれでいいんです?」

「なんだろ、同じことを前にも言われた気がするんだけど……」

「誰に言われたんですか」

「う~ん……心当たりが多すぎるんだよねぇ……」

 

 悩みながら進んでいると、ちょうどエルキドゥが向かってくる。

 

「あ、エルキドゥ。ちょっといい?」

「なんだい? マスター。探し物かい?」

「うん。今回はゲーム機なんだけど……知ってる?」

「う~ん……ソレかどうかは分からないけど、さっき茶々が休憩室に何かを見つけ出したと言って持って行っていたものがあったけど……見て見たらいいんじゃないか。僕もゲーム機とやらがどういうのかを知らないからはっきりとそうだとは言えないからね」

「ふむ。じゃあ、見に行ってみるよ。ありがと」

「うん。違うのだとしたらすまない。その時は僕も探すから」

 

 エルキドゥはそう言うと、行ってしまう。

 

「だそうです。行ってみるよ」

「見つけ出したとか、不安でしかないんですけど」

「古い奴だと作り難そうだよね……まぁ、頑張ってよ」

「最悪パソコンで出来るゲームになりそうですね……というか、明らかにそっちの方が楽なんじゃ…?」

「うぅむ、ノーコメントで。とりあえず、すぐそこだし、行ってから考えよう」

「そうですね。善は急げです」

 

 

 * * *

 

 

 そして、二人は休憩室に入って見てしまった。

 テレビに繋がれたケーブル。コンパクトな白と赤の二色を使った箱。その中央に立っているもう一つの小さな箱。それに繋がれている二つのコントローラーを。

 

 完全にファ〇コンだった。

 

「これのカセットは流石に無理です」

「うん。そりゃ無理でしょうよ。いろんな意味で」

「いえ、作れなくはないと思うんですが、こう、別の意味でダメですよコレ」

「よし。諦めてPCゲームにしなさい。作りやすい方が良いに決まってるでしょ」

 

 そう言って退出しようとした時、

 

「む。マスターとBBじゃないか。お主らもこっちに来るが良い。ついさっき茶々が見つけ出してきてな。やってみようという事になってやってみたら面白くてな」

「ノッブが異様にうまいのが気に食わないんだけど、どういう事かしら」

「伯母上凄いんだけど。何? 実はやったことあるの?」

 

 逃げるタイミングを失った。

 観念して二人は休憩室の中に戻り、話に混ざる。

 

「で、皆で何をしてるのさ」

「マ〇オじゃ」

「なんの誤魔化しも無くド直球だね。嫌いじゃないよ。そう言う何も恐れないスタイル」

「あぁ、そういう事か。まぁ気にすることも無かろう」

「どこがアウトかわからないんだからそう言うこと言わない」

「まぁそんな気にせんでもいいじゃろ」

「まぁいいけどさ……そういえばなんでノッブはここに?」

「休憩じゃ休憩」

「そう。順調?」

「当然じゃ。任せておけ。あと少しで終わりそうじゃからな。安心して待っておるが良い」

 

 そう言って、ノッブはテレビに視線を戻した。

 

 その後、数時間遊んだところで解散し、BBはゲーム作成に向かうのだった。




 最終的に遊んでいるだけである。

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