「うぅ~ん……ポイントが終わらないなぁ……」
「そりゃ、全然周回してないじゃない。貴方にしては珍しいじゃない」
「えぇ、だってその人、遊んでましたし」
オオガミが呟いた事に対して、即座に突っ込むエウリュアレとアナ。
マウナ・ケアへ向かっていたオオガミの右腕をエウリュアレが、左腕をアナが掴んでいた。
「遊んでいたのは否定しないけど、それは二人も同じじゃないの……?」
「まぁ、そうなんだけどね。少なくとも私は」
「私は茶々さんに振り回されていたので、ノーカウントです。昨日ようやく解放されたので、これからです」
「……目下最大の謎は、なんで両腕を掴まれてるのかだよ」
いつもの事だと言えば済んでしまうのだろうが、それでも突っ込まなくちゃいけないのだと思うオオガミ。
それに対して二人は、
「あら、私じゃ不満かしら?」
「私は姉様がしていたので、なんとなくです」
「うぐぐ……別段断る理由もないし、良いんだけども……」
神妙な顔をするオオガミに、楽しそうに微笑むエウリュアレ。
そんな三人が歩いていると、横からスカディがジャックを抱えて出てくる。
「あ、おかあさん! やっほー!」
「やっほー。ジャックは何してるの?」
「うん! バニヤンを探してたら、このお姉さんが困ってたから、案内してたの! おかあさんこそどうしたの?」
「あぁ、いや、別にこの状況に深い意味はないんだよ。強いて言うなら、取り憑かれた」
「あら、随分な言い様じゃない」
「その首、刈り取りますよ?」
「ご、ごめんなさい……」
ジャックの質問に答えていたら、腕を締め付ける力が強くなり、右からは凄みのある笑顔で、左からは今にでもその首を刈ると言いたげな視線で、叱られるオオガミ。
スカディはそれを見て、
「ふふっ。女神二人を侍らせるとは、人の子としては中々だ。通りで昨日は落ち着いていたはずだ」
「そりゃ、深夜でも構わずパフェを食べるようなのが右側にいますしって痛い痛い痛い! 腕が折れるって二人とも! つか、エウリュアレは分かるけど、なんでアナまで!?」
「姉様が怒ってますし、怒っておくべきだと思って」
「そうだよねアナは姉様至上主義だもんね許して!?」
「分かれば良いんです」
「あら、アナへの言い訳は良いけれど、私に対しては無いのかしら?」
「だって事実だし、別段俺は気にしてないし……むしろ、最近控えめだから調子が悪いのかと心配してる」
「そう……自重してみていたのだけど、どうやら不満みたいね。じゃあ、次から遠慮しないで食べてあげるわ。感謝しなさい?」
「……まぁ、こんな感じなんで、全く気にする必要もな痛い痛い!! 今日はちょっと暴力的じゃないかな!?」
悲鳴をあげるオオガミの腕。その痛みにオオガミは膝を着くが、その状況を作っているエウリュアレは不穏な笑みを浮かべるのだった。
アナはオオガミが暴れだした辺りで距離を取り、
「いつもの事なので、あまり気にしなくても大丈夫です。後、バニヤンさんは新シンさんが面倒をみているので、浜辺へ行った方が良いと思います」
「ふむ、そうか。ではそちらに向かってみるとする。この前は倒れてしまって、なんだかんだ海を見れていないからな。ちゃんと砂浜に立って、波を感じてみたい」
「じゃあ行こう! じゃあねおかあさん!」
そう言って、ジャックとスカディは、悲鳴をあげているオオガミを置いて浜辺へ向かうのだった。
うぅ~ん……巌窟王Wスカディで3T周回しても、意外と時間がかかるポイント周回……一回二万くらいという……終わるかなぁ、これ……