「うぅ~ん……スカディさんマジ強い……」
「本当に終わりそうね。後は活動力が終われば一段落かしら」
一段落と言ってはいるが、活動力さえ集め終われば収集は終わり、遊んで過ごすだけだったりする。
オオガミとエウリュアレの会話を聞きながら、きっと本人たちはそんなことに気付いていないのだろうな。と思うアナは、スカディの元へと向かう。
「お疲れ様です。大丈夫ですか?」
「あぁ、問題ない。むしろ、調子がいいくらいだとも」
「そうですか……夜なら何とかなりますけど、昼はまだ暑いですし、無理はしないで、限界だったらマスターを氷漬けにしてでも涼んでください」
「ふふっ、もしそうなったらそうさせてもらうとも。さて、今日はもう終わりだな?」
「……マスター、どうするんです?」
「解散で!!」
「よし。なら、私は帰らせてもらおう」
そう言って、平静を装いつつも全力で帰宅するスカディ。
それをアナは引きつった顔で見送るのだった。
「……うん。まぁ、そろそろ終わりそうだし、明日から本格的に観光できそうだね……」
「じゃあ、終わったらハワイ料理を食べ尽しましょうか」
「ん~……そうだね。結構食べてた気もするけど、習得できてるわけじゃないし。食べ歩き……大人数で行くのがセオリーだよね」
「そうね。メドゥーサは当然として、アビーとマシュと……茶々は暴れるから微妙よね」
「いや、流石に置いて行くのはどうかと……後、ジークも呼んでおこうか」
「そうね。そうしましょうか。でも、どうやって呼ぶの?」
「それはほら、マシュが独自回線を持っておりまして、そこからちょちょいと連絡をば」
「なんで、貴方より連絡網が豊富なのかしらね……?」
そんなことを言っている間に戻ってきたアナ。
エウリュアレはそれを確認するとアナの隣に移動し、
「ほら、早く戻りましょ。明日また頑張るんだし、今日は休憩よ。少し遊んでから帰りましょうよ」
「遊ぶって言っても……下山するだけでも十分な運動だと思うんですよ。どうなんです?」
「それはそれ、これはこれ、よ。ほら、街に行きましょうよ。私も色々と食べたいものがあるし」
「良いけど……アナも大丈夫?」
「私はその、姉様が良いならそれで。ただ、早めに行かないと、店も閉まっちゃうんじゃないかな、と思うだけで」
「……それが一番重要だよね。全力で帰るよ!!」
「そうね。早めに行かないと、遊ぶ予定も組めないわ」
「……事前調査のほとんどは私の役目なんですけどね……」
そう言いながら、三人は走って下山するのだった。
観光だのなんだの言っていますが、ところがどっこい。まだ素材交換が終わってないんですねこれが!
まぁ、それもWスカディシステムなら何とかなる恐怖。万能すぎるよこの人……