「さてさて、皆さん乗りました? 誰かうっかりいなくなってたりしません? 特にセンパイは大丈夫ですか?」
「流石に誰かさんの目論見通り消されるわけも無くここにいるよ」
「それは残念――――じゃなくて、よかったです! あ、マシュさん。盾はダメです。それ痛いんですイッタァー!!」
ガゴンッ! と鈍い音が響き、そのままマシュの盾に押しつぶされるように倒れるBB。
そして、マシュが前へ出てきて盾を回収して席に戻って行った。
「……レベルが上がってないので、流石のBBちゃんもこれには座に帰る勢い……」
「えぇ……お、応急手当」
流石に座に帰られると困るので、魔術礼装でBBを回復させるオオガミ。
それで回復したらしいBBは、よろけながらも起き上がると、
「は、はいっ! それでは、次のところへ向かおうと思います! ダイビングで疲れてお腹も空いたでしょう。お楽しみのご飯の時間でぇ~っす!」
その言葉に盛り上がる車内。英霊は食べなくても良いんじゃないか等という野暮な突っ込みをするようなのはいなかった。
「では、会場へと向かいます! あ、今この時点でいない人は、アビーさんに引っ張ってきてもらうので悪しからず。集合時間を守れない方々は狂気を垣間見ちゃってくださいね?」
「い、一応全員いると思うのだけど……」
「ま、いなかったらそん時さ。なぁに、もし忘れられたやつがいたって、自分で来るだろうさ」
「そ、そうね。北斎さんの言うとおりよね。安心して乗ってて良いのよね」
BBの物騒な物言いに、瞬時に全員いることを確認するアビゲイル。
その様子を見て北斎は安心するように話し、事実アビゲイルはいつもと同じ様子に戻った。
「で、ちゃんとデザートは出るのよね?」
「エウリュアレさんはいつからスイーツキャラになったんですか……いえ、今更でしたね。カルデアの時はほぼ毎日お菓子食べてましたし。えぇ、もちろんありますとも! しかも、色々と自分が食べたいものを食べたいだけ食べるのが良いんじゃないかなと私も思いまして、なんと! バイキング形式です!」
直後、ざわめく車内。
好意的なものも、若干不安を感じているものもいた。
「おぉ~。マジでか」
「茶々知ってる。局所的大人気を誇るのがスゴい速度で無くなって供給が追い付かなくなるやつだ」
「デザートの方が無くなりそうだよなぁ……絶対エウリュアレ辺りがめっちゃ食うぜ?」
「俺らも食いたいしねぇ……確保だけはしとくべきかな?」
「流石にそんな速度で食べないでしょ……普通に食べれば良いと思うんだけど。なに、大食いでもするの?」
「「……それもありか」」
「……メドゥーサに締め上げられそうね……」
はたしてバイキング形式は正解だったのか。
そうBBはひっそりと思いつつ、バスは目的地へと真っ直ぐ向かうのだった。
さて、問題は、明日にはサバフェスが終わってしまう事……これ、収集つかなくない……?