衣装チェンジもしたいよね(既に準備を整えているところは流石だと思うわ)
「エウリュアレならば、タンクトップにホットパンツコンボでもかなり可愛いんじゃなかろうか」
「突然どうしたこのマスター」
突然変なことを言い出すオオガミに困惑するアンリ。
すると、真剣そうな表情でオオガミが続ける。
「活発な雰囲気出そうじゃん? 普段のフリルドレスみたいな格好も良いけど、たまには別の姿も見たい。でも、再臨状態を変えたところでそこまで大幅には変わらないのでならばもう買ってくるしかなかろうと思いまして」
「お、おぅ……いや待て。その話の流れからすると、明らかに今から買ってくるかのような雰囲気だったが、その手に持っている袋はなんだ」
「何言ってんのアンリ。思い立ったら即実行。既に購入済みな訳だよ」
「全くもって理解できねぇ……!」
既にオオガミの手にはいくつもの袋があった。明らかに今言っていたものだけでないことが分かる。
「他に何を買ってきたんだよ……」
「何って……上下一着ずつじゃどうかと思うし、ついでにアナとアビーの分も買ってきて、髪飾りも何種類か買ってきた。髪留めも色々買ったしね」
「……それは?」
「ん? あぁ、これ? これは伊達眼鏡。エウリュアレにこの服を着せるときに髪をポニーテールにしようと閃いて、直後に眼鏡も似合うのでは? と思ったのでノータイムで即購入。でも、そこまで眼鏡にこだわりがないので特には考えないで買ってきた。眼鏡警察に殺されるんじゃないかと震えている所存です」
「……なんだ、その……なんだ。もう、オレの手には負えねぇ案件だな」
頭を抱えるアンリと、生き生きとしているオオガミ。
そこで、ふとアンリは、一番重要なことに気付く。
「なぁマスター……それ、サイズ合ってるのか?」
「え? あぁ、アビーとアナは怪しいけど、エウリュアレは合ってる、丁度くらいだと思うよ? アビーとアナも、違ったとしても誤差の範囲だろうし」
「なんで分かるんだよ……」
「そりゃ、普段どれだけ一緒にいると思っているのか。むしろ分からないわけがないと思うんだよ」
「それを平然と言えるアンタにオレはビックリだわ。アンタが一番おかしいだろ」
「えぇ……」
はぁ……と深いため息を吐くアンリ。
そして、冷静に考えると、エウリュアレを着替えさせたいためだけに女性用の服を一人で買ってくるオオガミは、かなり大物なのではなかろうか。
「……つか、着てくれない可能性は考えないんだな」
「……その時は、ほら……うん。諦めて収納しておこうかと。エウリュアレとアナは体型変わらないし、アビーのは多少変わっても問題ない服だし……うん。気にしないよ」
「今にも血を吐きそうな顔してるんだが……」
青い顔になっているオオガミに、アンリはなんとも言えない表情になるのだった。
全く絵を描かないから、絵を描けないのが悔やまれる……練習しろよ私ぃ……!!