「何故か私の宝具レベルが上がったから急いで帰ってみたら……どういう状況ですか?」
そう言うアナの視線の先には、簀巻きにされて転がされているオオガミがいた。
なお、アビゲイルは先程マシュに連れていかれ、荷物を荷物を送っていて、エウリュアレは高難易度の準備といって軽く体を動かしにいった。
大体彼の指揮でこうなっているわけだが、不可解なのは、当の本人が簀巻きにされているのは一体どういう事なのだろうか。
「そりゃ、お察しの通りですとも。アナの宝具レベルが上がるということは、つまりはそういうことです」
「まぁ、そうですよね。それでバレて、そうなってるわけですか。でも、抜けられるんでしょう? 早めにした方がいいんじゃないですか?」
「まぁ、うん。それもそうなんだけど……アナを残したのには理由があってね……お願いがあるわけです」
「……内容によります。なんですか?」
アナの冷たい視線に見られ、一瞬躊躇ったオオガミは、しかし意を決したように言う。
「スカディのサイズを測ってきて!」
「嫌です」
即答だった。
しかし、すぐに理由を説明するオオガミ。
「実は、エウリュアレ達にと思って買った服を見たスカディに、『私のも買ってきてくれないだろうか』と頼まれて、受けたは良いものの、体格を把握していない状態では流石に無理なので、今こうして頼んでいるわけだよ」
「何してるんですかこのダメマスターは。怒濤の展開過ぎてついていけません。あと今、凄い気になるのを聞いた気がするんですが、姉様に服を買ってきたんですか?」
「……ともかくだよ。そういう複雑な理由から、測ってきてほしいわけです!」
「……仕方ないですね。条件として、姉様を説得して着替えさせること。そして、着替えたあとで写真を下を除く全方位から撮影することを約束してもらえればやります。えぇ、任せてください。キッチリやりきりますとも」
「凄いやる気……なら、それに答えざるを得ない……任せて! 必ず写真は撮るから!」
「はい。マスターのこういうところだけは信頼しているので、しっかりとこなしてくださいね」
そう言って、メジャーを持ってスカディのもとへと走っていくアナ。
そして、それと入れ違いになるように戻ってきたアンリは、
「あ~……見付からなかったわ。スマン」
「それに対しての返答はね……入れ違いだよ。お疲れ様。だね」
「嘘だろ……なんで教えてくれなかったんだよ……!」
「連絡手段ないし。その、お疲れ様」
その言葉を聞いて、アンリはその場に崩れ落ちるのだった。
朝起きて、一息いれて、さぁ10連。出たのは金回転アナでした(吐血