「ふ、ふふふ……10箱終了! 残り90箱!」
「早いわね……問題は、この勢いが最後まで続くかよね」
当たり素材を回収し終わり、礼装交換も終了したうえでいくつかドロップしているので、割と余裕があった。
「まぁ、後何枚か取れれば効率も上がるはず。いける、行けるぞコレは……夢の100箱……!!」
「贋作の時には半分だったものね……」
「今回も言うだけで半分だけだと思っていたのですが……まさか、これだけ頑張るとは思ってなかったです……」
「私もびっくりだわ……ただ、エキシビションもやると考えると、行けるのかしらね……」
今日の分のエキシビションは終わっているが、それでもいくらか時間は持って行かれていた。だが、それでも10箱は開けられているのだから、この調子が続けば100箱は夢ではなかった。
「ん~……でも、流石に戦闘になったら装備変更しないとだよねぇ……アナ、髪を梳かすからこっち来て」
「あ、その前に着替えても良いですか……?」
「まぁ、良いよ。いってらっしゃい」
「はい。行ってきます」
そう言ってアナが見えなくなったところで、エウリュアレはオオガミを椅子に座らせてその膝の上に乗る。
「……えっと、何の用でございましょうか、エウリュアレ様?」
「……私の髪を梳かすのが先よ」
「いやいや、エウリュアレは別に乱れても……あぁ、はい。そうですね。やりますよ~っと」
「そうそう。そうやって素直にすればいいのよ」
少し楽しそうに笑うエウリュアレに、何とも言えない表情になるオオガミ。
そんな二人の後ろに現れたのはアンリ。
「あ~……マスター? 今大丈夫か?」
「アンリ? 何かあったの?」
「あぁ、それなんだがな、今アビーが店を出そうと企んでる。どうする?」
一瞬手が止まるオオガミ。しかし、次の瞬間には先ほどと同じように手を動かすが、その動きは何処かぎこちない。
「えっと、何料理?」
「イカ系だったな。あれはグレーだぜ」
「グレーかぁ……うん。待って、それは明らかにグレーじゃなくて黒。何かやらかそうとしたら報告しに来て」
「おぅ。後、アナスタシアも出すつもりっぽいが、そっちは放っておいても良いか?」
「そっちは後で見に行くよ。あ、後、アナスタシアにはこの服をあげて来て。暑いって言ってたからゆったりとした服買ってきたから。これならたぶん着れるはず」
「ん? あぁ、分かった。任せとけ」
そう言って、オオガミが差し出した袋を受け取って去って行くアンリ。
それと入れ替わる様にアナがやってくると、
「着替えてきましたが……もう少しかかりそうですかね?」
「いや、エウリュアレはもうほとんど終わってるからちょっと待ってて。ほら、終わったよ」
「ありがと。じゃ、アナもお願いね?」
「ん。任せといて。とはいっても、エウリュアレとは違って髪を結ったりはしなくても大丈夫だしあんまり時間はかからないと思う」
「じゃあ、お願いしますね」
そう言って、アナはオオガミの膝の上に座るのだった。
一日10箱。開催日は約14日……つまり、100箱いけるんじゃないですかね!?(発狂
あと、さりげなくこの作品が日間ランキング入りしてて震えてます。しかも最初に見た時より順位上がってるし……ありがたやぁ~……