「あぁ、来たのね、マスター。貰った服を着てみたのだけどどうかしら」
そう言って、くるりと一回転するアナスタシア。
白地に空色で雪だるまが描かれているTシャツにデニムを穿いて、腰には赤いチェックのシャツを巻いていた。
「うん。似合ってるよ」
「ふふっ、それならよかったわ。ありがとう、マスター」
アナスタシアはそう言って微笑む。
それを見ていたBBは、アナスタシアの服を指差しながら、
「……コレ、センパイのチョイスですか?」
「……そうだけど、何かあった?」
「あぁ、いえ、そこまでは悪くないんじゃないかなって思っただけです。というか、なんで私にはお洋服無いんですか。私も欲しいんですけど」
「えぇ……とりあえずかき氷買ってから行かない……?」
あまり乗り気でなさそうなオオガミに、BBは頬を膨らませると、
「むぅ……じゃあブルーハワイで!」
「練乳イチゴかなぁ……」
「センパイ、甘いのを選びますね……普通逆じゃないですか?」
「真っ先にブルーハワイ選びに行ったAIに言われたくないんだけども」
意外そうな、それでいてどこか納得のいかないような複雑な表情をするBB。
「はい、ブルーハワイ。こっちは練乳イチゴね。じゃあマスター。またよろしく」
「うん。値段は?」
「合計250QPね」
「ん。これでピッタリかな?」
「えぇ、ちょうどね」
「じゃ、また後で来るよ。じゃあね」
そう言って、アナスタシアの所を離れ、BBの要望に応えるべく洋服店を探しに行くオオガミ。
それと入れ替わる様にエウリュアレとアナがやってきて、
「お疲れ様。売れてる?」
「まぁまぁって所よ。ところで、エウリュアレさんはマスターと一緒じゃなくてよかったの?」
「だから、別にいつも一緒にいるわけじゃないから。というか、どうして一緒にいるのが前提みたいになってるのよ」
「それは……普段の自分の様子を考えてみれば良いと思うのだけど……まぁ、分からないなら仕方ないわ」
「変な事を言うわね……」
エウリュアレはそう言い、ため息を吐くと、
「まぁいいわ。私の一つ頂戴。練乳イチゴが良いわ」
「……頼む物まで一緒なのね」
「えっ……じゃあ、メロンでいいわ。被るのは、なんか言われそうで嫌だわ」
「別に気にしなくても良いでしょうに。それで、アナさんは?」
「そうですね……レモンでお願いします」
「よくそんなの選べるわね……」
「いえ、少し気になって……」
「ふぅん……まぁ、財布を持っているのは貴女だもの。私は特に言う事は無いわ」
「ふふっ、メロンとレモンね。ちょっと待ってて」
そう言って、かき氷を作り始めるアナスタシア。
二人はそれをのんびり眺めつつ、待っているのだった。
なぜか望まれている気がするBB私服。とはいえ、需要あるのだろうか……自分の私服センスは死んでるから全く自信ないんですよね……