「ふ、ふふふ……あはははは!! ようやく倒しましたよ!! いやぁ、勝てないとか思いましたけど、やっぱり最後には勝てるんです!」
「マジ、もう、無理。来年復刻されたらもっと楽な攻略法を探す。絶対クリティカルなんかさせてやるものか」
ドヤ顔のBBと、大の字に寝転がって動かないオオガミ。
ついに因縁のジャガ村を攻略し、チケット集めの意欲が激減していた。
「はぁ……もう、50箱開けたし、良くない? 今年の祭りはこれで終わりじゃない?」
「ちょ、ちょっと、なんで意気消沈してるんですか! お祭りはまだまだこれからですよ! 決勝も残ってますし! リンゴ足りませんよ!」
「あ~……リンゴ足りないなら周回できないわ~……諦めて次回頑張ろ~」
「普段からダメダメなセンパイが、ジャガ村を越えたことで普段の数倍はダメダメに……! これ、マシュさん案件じゃないですか……!?」
「いや、うん。頑張ったよ。頑張ったからさ、とりあえず甘いものを探しにいこう。話はそれからだ」
「センパイ、甘いの好きですもんね。エウリュアレさんの影響もあるんでしょうか?」
首をかしげるBBに、オオガミは首を横に振り、
「いや、むしろエウリュアレをお菓子漬けにしたのが俺で、ある意味エウリュアレは被害者なわけです。まぁ、反省も後悔もしてないけどね」
「あれ……そうでしたっけ……わりと最初からだったような……?」
「……まぁ、うん。好みに関しては俺寄りじゃないかな。アナスタシアの所のかき氷屋でも、おそらく俺と同じ練乳イチゴ。次点でメロンだよね」
「……後でエウリュアレさんに聞いてみますか……じゃあ、センパイ! 今回私がたくさん活躍したので、私にはちょっと多目でお願いしますね!」
そう、普段よりテンション高めで言うBBに、オオガミは少し考えた後、
「じゃあ、後アナと北斎ちゃんとアビーも呼ばなきゃだね。マシュはそのうちいつの間にかいるはず」
「センパイのマシュさんの扱い、酷すぎません? いつか絶対後ろから刺されますよ?」
「まぁ、マシュになら是非もない。八つ裂きにされないだけマシじゃない?」
「どっちも致命傷ですって。いえ、八つ裂き死んでますけど。というか、仕方無いで済ませられるほどの事をしている自信があるんですね……」
「……かなり。正直、返せる自信がないよ」
オオガミがそう返すと、BBはため息を吐き、
「じゃあ、まずは自分から誘うところからです。センパイ、マシュさんをあまり自分から誘わないじゃないですか。でも、ただついていくのと、誘われてついていくのは、心持ちが全然違うんですから。アビーさんたちは私が誘いますから、センパイはマシュさんのところに行ってください。分かりましたか?」
「……なんでBBがそこまで心配してくれるのか、あんまり分からないけど、了解。行ってくるね」
そう言って、走り出すオオガミ。
BBは、それを少し困ったような表情で見送るのだった。
敗因は、生き残ったジャガーマンを倒すのに、わざわざ自前の鯖で行こうとしていたこと。フレンド武蔵ちゃん強すぎるぅ……