「うん、よし。周回するか」
「その姿で言われると、流石に心配なのだが……」
全身に湿布や絆創膏を張りながらそう言うオオガミに、スカディは苦い顔をしながら言う。
「いや、流石にマシュとBBの喧嘩を止める途中で大怪我負ったからと言って、周回を止めるわけにはいかないんだよ」
「ふむ……不思議なものだな。普通は止まるだろうに。そこまでするものなのか?」
「まぁ、貴重なアイテム大量取得イベントだしね。というか、これくらいの傷ならすぐ治るって」
「そうか……? まぁ、それならいいが……うむ。では、行くとしようか」
そう言って、前を歩くスカディ。あちらこちらへと揺れるポニーテールを見ながら、はたしてスカディは渡し合服をどうしたのかと考える。
と言うのも、ここまで着ているのを見ていないからだったりする。
「ん~……シャドウ・ボーダーに置いてきたのかな……?」
「いえ、先輩が見ていないだけで、一日ごとに切り替えで着てますよ?」
「えっ……マシュ、なんでそれを……?」
「それは、先輩と別行動しているのが多いからですかね……?」
「うぅむ、なんか、納得がいかないけど、まぁ、仕方ないか……いつか見れるのを期待しておこうかな」
「はぁ……そうですか。まぁ、先輩が言うなら仕方ないですね」
「うんうん。それじゃ、周回行くよ~!」
「はい。オーロラ鋼も集まりますし、スカディさんのスキル上げにもなりますからね。まぁ、骨も欲しいですが……」
「流石に求め過ぎはいけないと思うの」
そんな事を言いつつ、二人はスカディを追うように周回へと向かっていく。
* * *
「むぅ……マスター、来ないわね」
そういうアビゲイルの隣には、ジャックが食材を切り刻んでいた。
その奥にバニヤンが木箱の上に座っているのだが、彼女は完全にいるだけだったりする。
「アビー、終わったよ。でも、イカ焼きじゃなかったの?」
「ありがとう。そのつもりだったんだけど、たこ焼きが作りたくなったから急遽変更よ。まぁ、イカ焼きも並行で作るのだけど。うぅ……火が使えれば、火力調整も簡単なのかしら……」
「ナーサリーなら火が使えたんだけどね。再召喚されてないのが残念なんだけどね」
「むぅ……ナーサリーさん……私もあってみたいわ」
「私たちも会ってないから、すっごく楽しみ! 会えたら仲良くなれる気がする……!」
「どこからその自信は来るのかしら……」
そんなことを言っていると、ギルガメッシュと茶々が店の前を通る。
そして、三人は二人に向かって呼びかけを行うのだった。
ナーサリーと邪ンタで幼女パが……!