「ふん、ようやく来たか」
「あらあら。エウリュアレさんはマスターにべったりのようですね~? 貴女は行かなくて良いんですか?」
「今はお店があるから良いわ。代わりに後で遊んでもらうもの」
シバの女王の指導で金ぴかが目が痛くない程度に抑えられたアビーの店。
その邪魔にならないであろうところに机と椅子を置いて優雅に座っているギルガメッシュとシバの女王。
アビーは若干不満そうだが、集客の邪魔になっていないので別段移動してもらおうとは考えてはいなかった。
「あ~……これは、どういう状況?」
「さぁ? でも、さっき見たときよりだいぶ見やすくなっているわ」
そこへとやって来たオオガミとエウリュアレは、会話の流れについていけず、首をかしげるのだった。
「
苦い顔でそう言うギルガメッシュ。
アビーはそれを聞いてますます不機嫌そうな顔になると、
「全く、その犯人である茶々を逃がすだなんて。真っ先にジャックを送るべきだったわ」
「全力だね……まぁ、たぶんその金ぴかの時を見れば言っている意味が分かるんだろうけど……今は直っているんだし、良いんじゃないの?」
「マスター。それはそれ、これはこれよ。ティテュバ……じゃなかった。シバの女王さんに教えてもらったわ」
「来てすぐに何を教えてるんだこの女王」
「言い掛かりですぅ~! 私、別になにもしてませんってぇ!」
ひ~んっ! と悲鳴を上げながら、自分は悪くないと主張するシバの女王。
そもそも何があったらそんな事を教えることになるのかと思うが、隣でギルガメッシュが顔を伏せているので、おそらく何か手引きをしたのだろう。
そう思っていると、ギルガメッシュは突然顔を上げ、
「いや何、貴様が考えている様なことではない。この女が自ら仕掛けたことをやり返されただけのことよ。何、気にする事ではない」
「いや、気になるけども……まぁいいや。じゃあ、アビー。たこ焼き二つで。一つはこっち、もう一つは後から来るアナとBBにお願い」
「分かったわ」
そう言って、作業を始めるアビー。
ちなみに、ジャックは食材のほとんどを切り刻んでしまってやることが無くなったので、バニヤンと一緒に遊び回っていた。
「ようやく追い付きました……センパイ、意外と移動速度速いですよね。もう少し遅くてもいいと思うんですけど」
「マスターの性分なので仕方ないかと。というか、たぶん姉様が速くて、マスターがそれに合わせているようなものかと」
そう言いながらやって来たアナとBBを見て、オオガミは手を振るのだった。
いやぁ……周回が進まないですねぇ……100箱、たどり着くだろうか……