「う~ん……クエストが終わらないなぁ……」
「いや、二週間もあるんですし、仕方の無いことだと思いますよ? というか、ペースとしては良い方だと思いますけど」
姫路城の中から座って外を見つつ呟くオオガミと、同じく外を眺めながら答えるBB。
外では巨大メカエリちゃんと黄金のバニヤンによる怪獣大戦争が行われていた。
肩に乗っているアビーを始めとしたチビッ子鯖に手を振り、そんなチビッ子鯖達に混ざって遊んでいるギルガメッシュに頬を引きつらせる。
「……ねぇBB。これ、終わる気がする?」
「……それは、リンゴを使わずにってことですよね?」
「うん」
「そうですねぇ……今の手持ちなら、ギリギリですかね? まぁ、うまくいけばリンゴ無しで行けるかと。ただ、代わりにアイテム交換は諦めることになると思いますよ?」
「ぐぬぬ……難しい問題だよねぇ……」
そんな事を良いながら外に目を向けると、バニヤンの肩に乗っていた茶々に飛び掛かるバラキー。
バニヤンの足下から飛び上がってきたので、若干のホラーだった。
突然のことに茶々は対応出来ずにバラキーに捕まって真っ逆さまに落ちていく二人。
とはいえ、その場にアビーもいるので、すぐに門で回収されてバニヤンの肩の上に戻った。
「……さっきから外を見てるとさ。とんでもないことが起こってるんだけど……BBさん。どう見ます?」
「いやぁ……あの金ぴか王、たまにとんでもないことしますよね。というか、子供に甘いと言いますか……こっち来てからずっとあのメンバー固まってる気がするんですが」
「だよねぇ……うんうん。ところで、スカディさんがどこに行ったのか知ってる?」
「センパイが知らないのに分かるわけ無いじゃないですか……というか、二人揃って見失ったんですから、探すしかないです」
「ですよねぇ……なんで見失うのか。自由すぎるでしょあの人」
失踪したスカディの事を思いつつ、しかし既に探すのは疲れたので休憩し続ける二人。
すると、後ろの
「あら? こんなところで何をしているのかしら」
「エウリュアレ……?」
エウリュアレが、アナとスカディを連れて入ってきた。
「えっとぉ……なんでスカディさんはそっちに?」
「お前たちが迷子になったから探していたら偶然会ってな。そのまま一緒に行動していたわけだ」
「あ~……なるほど~……」
お前が迷子になってたんだよっ! とは言えない状況。
オオガミもBBも共に頭を抱えるが、流石にスカディには悟らせない。
とはいえ、エウリュアレにはバレバレだったりする。
「まぁ、せっかく合流したんだもの。少しの間、一緒に行きましょう?」
「ん……そうだね。じゃあそうしようか」
そう言ってオオガミは立ち上がると、大乱闘が起こっているバニヤンの肩の上から目を逸らすのだった。
ここまで一切主軸になって展開されないバニヤンサイド。わりと愉快すぎる……