「……良いご身分ですね、エウリュアレさん」
「あはは……」
オオガミに膝枕をされているエウリュアレを見つつ、BBは文句を言う。
オオガミはそれに対して曖昧に笑うしかなかった。
「全く……私が戦っている間ものんびりと寝て……少し位は手伝ってくれたって良いと思うんです」
「いや、手伝うって言っても、すること無いし……大人しく寝ていてくれるのが一番かなって」
「そ、それはそれで酷いですね……エウリュアレさんはマスコットですか……?」
「マスコットだねぇ……まぁ、それでもほとんど困ることはないし、良いんじゃない?」
「センパイが指揮を取らないのは、それだけ問題だと思うんですけどねぇ~……えぇ、はい。エウリュアレさん以外にも構った方がいいと思います。いや、本当に」
「あ~……そこは言い訳できないなぁ……うん。ごめんなさい」
そういうオオガミは、確かに最近エウリュアレとBB以外に話していない気がする。
とはいえ、北斎は周回が終わるとバラキーと一緒にいなくなってしまったり、アビーとジャックはすぐにバニヤンの元へと向かったりして、あまり話す時間がなかったりする。
「……帰ったら遊ぶ機会を増やすかぁ」
「サーヴァントと遊ぶっていう発想が出るのって、結構凄いことだと思うんですけど……だってセンパイ、審判するつもり無いでしょう?」
「まぁね。ガッツリ混ざる予定」
「それがおかしいんですって……流石のBBちゃんも、それは許容範囲外です」
「えぇ~……そんなにおかしいかな……」
「はい。普通英霊と競いません。だって、普通勝てませんもん」
「ん~……でも、それは競わない理由にはならないね。むしろレッツチャレンジ」
「どこからそのやる気は来るんですか……」
エウリュアレの髪をどこからか取り出した櫛でとかしつつ、サーヴァントに混ざって遊ぶつもり満々のオオガミに呆れるBB。
やられているエウリュアレが若干嬉しそうなのがまた、BBの機嫌を悪くさせる。
「……ねぇセンパイ? それ、私にもやってくれませんか?」
「え? あぁ、髪をとかすの? 了解。今はブラシが無いからちょっと待ってて」
「むぅ……なんでエウリュアレさんのだけ揃ってるんですか……」
「うぅ~ん……エウリュアレには良くやるから……かなぁ……?」
「納得できるけどしたくないですね……センパイ、エウリュアレさんに甘過ぎじゃないですか?」
「あ~……否定できないなぁ……結構言われるもん」
「そりゃ、今の状況を見るだけで分かりますよ……はぁ、私はお邪魔ですかね」
「そんなことはないけどね。あぁ、アビーならブラシを持ってきてくれるかも」
「……もう、仕方無いですね」
BBはそういうと、姫路城の屋根から飛び降りるのだった。
この二人……嫉妬しあってる……というか、アビーよりもライバルしてるよBBちゃん……