吾は菓子が食いたい!!(オレじゃなくてマスターに集れって!)
「緑の人よ! 今日は菓子はないのか!?」
「あ~……今日はねぇな~って、待て待て待て! わざわざバーサーカーじゃなくてランサーの方で来るな!」
バラキーの槍を紙一重で回避したロビン。
そして、バラキーが不満そうな顔をしているので、追撃が来る予感がした。
「そ、そうだ! マスターなら持ってるはずだ。それに、言えば作ってくれるはずだ。そっちに頼んだ方が良いんじゃねぇか?」
「ぬぅ……行ってみるとするか。緑の人よ。次来るときまでに菓子を補充しておくのだぞ!」
「へいへい。あ~……別に、アイツの菓子係になった覚えはないんですがねぇ……」
嵐のように走り去っていったバラキーを見て、ロビンはため息を吐くのだった。
* * *
「という訳で、やって来たぞ! 菓子はないか!」
厨房でオオガミにこれまでの経緯を説明してから改めて要求するバラキー。
オオガミは少し考えた後、
「時間がかかるけど、今から作る試作品を食べるか、ハロウィンの時にお菓子が貰えなくなる代わりに作り置きのを食べるか。どっちが良い?」
「むっ……ならば待つ。吾は待つことの出来る鬼だからな! だが、試作品であろうと美味いものでなければ許さぬからな」
「はいよ。あ、それと、今から作るのは内緒だからね?」
「くふっ! 吾は鬼の首魁。約束は守るとも。それに、知られなければ吾が独占する事も出来よう。教えたら吾の分が無くなるからな!」
「うんうん。よし、じゃあ作るかな」
そう言って、立ち上がるオオガミ。
すると、バラキーは、
「……吾も隣で見ていても良いか?」
「ん、見る? 見ててもそんなに面白くはないと思うけど、バラキーがそれでいいならいいよ」
「じゃあ見る。少し気になっていたからな」
「ん~……手伝う?」
「吾でも出来る事はあるのか?」
「そうだね……うん。何か思いついたら頼むことにするよ」
「うむ。分かった」
そう言って、オオガミの隣を歩くバラキー。
オオガミは何を作るかと考え、
「うん。まずはタルトからだね」
「タルト? それは、吾が手伝えるものか?」
「そうだね。バラキーは力があるし、生地作りを手伝ってもらおうかな」
「ふむ……力仕事なら任せて良いぞ! 鬼だからな、力は負けぬ!」
「うん、そうだね。バラキーは強いもんね」
そう言いながら、バラキーは筋力Bなんだよなぁ……と思いつつ素材と道具を取り出す。
「さて、じゃあバラキー。任せたよ」
「うむ! 鬼の力、とくと見るがいい!!」
そう言って道具を受け取り、説明を聞きながらバラキーは生地作りを始めるのだった。
ちょっとだけ出番があったロビンさん。サバフェスぶりですね……
書きながらタルトが食べたくなった私は、とりあえず作ってみようかと思い、なんで買うって選択肢が無いんだろうかと首を傾げました。はて……どうしてそうなったのか……