「ライダーがおるんじゃけど! なんで儂を連れてきたし!!」
「私も場所違いよね!! こんなの、私たちの出る幕ないわよ!!」
「ところがどっこい。エウリュアレはアタッカーなんだなこれが」
「儂は完全に無関係なんじゃな!!?」
マンティコアの攻撃を避けながらゴブリンを撃ち抜いていくノッブとエウリュアレ。
「ノッブはほら、前衛倒すためだから」
「つまりゴブリン狩りをしろって事じゃな!!」
「そう言う事。まぁ、マンティコアに宝具は撃ってもらうけどね」
「倒せなかったら私が出ますので、安心してください」
「もうお主が最初から出ればいいんじゃ!?」
オオガミの近くで弱ったマンティコアにトドメを刺しながら言ってくる静謐に、思わず叫ぶノッブ。
「いえ、私、力はそんなにないですから。あくまでも残ってしまった際のトドメ役です」
「そうじゃった! あやつ、攻撃力としてはダメじゃ! 筋力Dじゃし!」
「私はEなんだけど!? なのにどこでも最前線よ!?」
「じゃよね! やっぱおかしくね!?」
「レベル差ですよ」
「そうじゃな! 10も差があったな! うむ。なら仕方ない!」
推奨レベルが90という事もあって、いつもより優しめなノッブ。
そもそも、彼女がここまで一回も宝具を撃てていないというのも、理由の一つかもしれなかった。
「つか、本当に強すぎるんじゃけど! なんじゃあのマンティコアの強さ! 死にそうなんじゃけど!」
「まぁ、実際何度か死んでるけども。とりあえず、全力で叩くべし。宝具展開」
「あい分かった!! 三千世界に屍を晒すがいい……!!」
「はぁ……面倒だけど、やってあげるわ。ちゃんと見てなさいよ?」
無数の火縄銃を召喚するノッブと、髪を後ろに払うエウリュアレ。
「これが魔王の、『
「『
周囲に放たれる、もはや銃弾とは呼べないレーザーの群れ。
そして、その中を飛び、確実にマンティコアの額に突き刺さる
その攻撃で、大体の敵は倒れる。
「はぁ……めっちゃ辛いんじゃけど」
「本当にね。なんでこんな苦行を続けなくちゃいけないのよ」
「世界樹の種は使うからね……正直、産毛よりも種が欲しいんだよ……」
「この配置は、明らかに採らせる気が無いと思うんじゃが」
「マンティコアのHP高すぎでしょ……気軽に倒せる限度ってものがあるわ」
「周回って、こんなに難易度の高い物も含まれるんですね。あまり戦わないので知りませんでした」
「普通やらんわ! 今回が特別なんじゃよ!!」
「そうよ! こんなのを毎回周回させられるとか、明らかに地獄じゃない!!」
ついに怒り始めたノッブとエウリュアレ。まさか二回も出番があるとは思っていなかったのだろう。ノッブの場合、やられまくったというのもあるのかもしれない。
「ラストじゃ! 次をラストとする! これ以上はマスターの頼みといえども、断るぞ!!」
「えぇ~。じゃあ、令呪を切るか……」
「それほどまでに!?」
「いや、冗談だけども。ちょうどAPも尽きるしね。今日はこれがラストだよ」
「よっし! 行くぞエウリュアレ! 静謐! これが終わったら、皆で遊ぶぞ!!」
「えぇ、任せなさい! 全力で叩き落としてあげるわ!!」
「私はあんまり戦ってないんですけどね。頑張って手伝いますよ」
三人はそう言って、最後のマンティコアに向かっていくのだった。
この後ノッブだけコロコロされた。
マンティコアのHPが35万くらいとか、卑怯だと思いました。まる。