「ぬおぉ……も、もう観覧車には乗らぬ……吾、もう十分乗った……」
「はいはい。全く。バラキーは勝手に行っちゃうんだから。言ってくれれば一緒に行ったのに」
アビゲイルに膝枕をされつつ、うなされているバラキー。
きっと意地を張りすぎて疲れたのだろう。とアビゲイルは思っていた。
「ぬぅ……汝はエウリュアレと共にフードコートへ向かっていたではないか……暴れられても困るからなぁ……」
「なんで私が暴れるのが前提になってるの……別に、私は気にしないわ」
「ぬぅ……」
そう呟いて、静かになるバラキー。
アビゲイルはどうしようかと少し考え、
「ねぇバラキー。ハンバーガー食べる?」
「むっ。あのギル祭とやらの時のバーガーか?」
「うん。作って貰ったわ。食べる?」
「うむ、食べるぞ!」
バラキーの返答を聞き、アビゲイルはバーガーを取り出す。
バラキーはそれを見て首をかしげ、
「はて。これ、ここまで大きいものだったか……?」
「やっぱりそうよねぇ……ONILANDサイズなのかしら……」
アビゲイルはギリギリ持てるくらいのビッグサイズ。
はたしてどうやって食べてものかとアビゲイルが考えていると、横からバラキーがバーガーにかじりつく。
「あぁっ!?」
「むぐむぐ……うむ。やはり赤い人は流石だな! これほど美味で食べごたえがあるものはあまり見ないからな!」
「もうっ! ナイフで切り分けようと思ってたのに、勝手に食べちゃうんだから!」
「知ったことではない。それに、このかじりつくのが良いのではないか。切り分ける必要なぞ無かろう?」
「むぅ……! 良いわ! このまま食べるわよ!」
そう言って、アビゲイルもバーガーにかじりつき、若干崩れる形に苦い顔をするが、バーガーの味ですぐに顔を輝かせる。
「美味しい! 美味しいわね!」
「うむうむ。やはり肉がうまいことは当然としても、ソースの味、シャキシャキの葉物の食感、そして溢れ出た肉汁を受けとめ、更に味が良くなるカリカリのバンズとやら。やはり旨いな!」
「とっても美味しいわ! これは、もしかしたら一個じゃ足りないかもね!」
「まぁ、足りなかったらまたフードコートへ行けば良い。バーガー以外にもあるしな!」
「それもそうね! 後でいきましょう!」
そう言って、楽しそうに笑う二人。
そして、しばらくバーガーを食べ進め――――
「……喉が乾いたな……」
「……フードコートにお水があったはず……行きましょ?」
「うむ。流石にバーガーを喉に詰まらせるのは嫌だ。流石にそんな理由で座に帰りたくはない……」
そう言って、二人はテクテクとフードコートへ向かうのだった。
なんだかんだ言って、バラキーとアビーは仲が良いんですよ……あれ、そういや、最近アンリを見てないな……