「はっ! 護法少女ヒーローショーだと!? 見に行かねば!」
「それ、五日前にマスターが攻略してたような気がするのだけど……」
「まぁまぁ。バラキーの夢は壊さず、行ってみれば良いよ。レッツゴー!」
そう言って、ヒーローショーの行われるメインストリートへと向かっていく三人。
メインストリートに着くと、既に人だかりが出来ていて、ほとんど見えない状況だった。
「ぐぬぬ……吾も見たいのに……!!」
「さっすがに見れないかなぁ~……前の方もぎっしりだし」
「ん~……そうねぇ……門でも使うかしら」
そう言って、門を三人の足元に開くアビゲイル。
直後三人は自由落下するが、すぐに二本の触手に支えられ、ステージがよく見える空中に腰掛ける。
「おぉ! 絶景かな! うむ、これは良い。鬼救阿の活躍を全部見れる!」
「見つかったら叩き落とされそうだけど、うん。眺めは最高だね!」
「気に入ってもらえたなら良いんだけど……ヒーローショーでこの見方をしてると、たぶん敵みたいに扱われそうよね……」
無邪気に楽しむバラキーと、若干不安そうな茶々とアビゲイル。
「さて、そろそろ始まるわね……」
「ヒーローショーだぁぁ!」
「鬼救阿のヒーローショーって、ありなのかな……鬼の流儀聞いてる感じ、ダメな感じすごいんですけど……」
「まぁ、こっちに来たらとりあえず全力で迎撃してみるわ」
「うん。茶々は退避しとく」
「退避は落ちるしかないからおすすめしないけどね」
「また落下かぁ……嫌だなぁ……」
ティーカップからの決死の脱出を思い出しつつ、苦い顔をする茶々。
そんな二人は、どこから取り出したのか分からない、某光る棒を持っているバラキーを見つつ、ため息を吐くのだった。
* * *
「ヒーローショー……? この前マスターが攻略してたような気がするのだけど……再演かしら。でもまぁ、見てないから見に行くのもありね」
「姉様が行くのなら私も行きます」
「ヒーローショー! 見てみたかったんだ! 楽しみ!」
「頑張れ鬼救阿~!」
「……こっちの二人は既にスイッチ入ってるみたいだし、行かないわけにはいかないわね」
エウリュアレとアナは、ジャックとバニヤンを連れてメインストリートへと移動していた。
とはいえ、高難易度と同じ名前のものなので、警戒するに越したことはないだろう。
ちなみに、オオガミは今、マシュと一緒に遊園地を回っていた。
「とりあえず、あんまり離れないようにね。迷子になると困るから。じゃ、行くわよ」
「「は~い!!」」
そう言って、ジャックとバニヤンが離れすぎないように見張りつつ、のんびりと向かうのだった。
アビー達のほのぼのパートもそろそろ終わりが近づいてます……